― 大学別データ判定 ―
横浜薬科大学はFランで恥ずかしい?偏差値37.5・充足率103.1%の実像を暴く
河合塾偏差値BF〜37.5・当サイト判定A(実質全入)。収容定員充足率103.1%という一次データで、入りやすさと需要の両面を検証する。

この記事の目次
河合塾の偏差値で見る横浜薬科大学の学力帯
まず横浜薬科大学の入口の難易度を、河合塾のデータで確認します。河合塾Kei-Net(2027年度入試向け)によると、学科ごとの偏差値は次のとおりです。同じ薬学部の中でも学科によって数字が分かれており、一律ではありません。
| 学部 | 学科 | 偏差値(河合塾Kei-Net2027) |
|---|---|---|
| 薬学部 | 健康薬学科 | 35.0 |
| 薬学部 | 漢方薬学科 | BF(ボーダーフリー) |
| 薬学部 | 臨床薬学科 | 35.0 |
| 薬学部 | 薬科学科 | 37.5 |
数字の読み方を補足します。偏差値35.0は、薬学部の中では最下層に近い水準です。旺文社パスナビでも横浜薬科大学の偏差値は35.0前後と表示され、共通テスト利用入試の得点率は42%〜45%とされています(旺文社パスナビ)。国公立や難関私立の薬学部が偏差値55〜65帯であることを踏まえると、入口の学力ハードルは相当低い部類に入ります。
漢方薬学科の「BF」は、ボーダーフリーの略です。これは河合塾が合格と不合格の境目となる偏差値を設定できない、つまり難易度を数値化できないほど選抜が働いていない状態を指します。BFは俗に言う真性のFランの帯です。一方で薬科学科(4年制)は37.5と、学部内では最も数字が高くなっています。当サイトはこの学力帯を機械的に「A:実質全入」と中立判定しています。偏差値35前後で誰でも受かるに近い、いわゆる純Fランの帯という意味です。良し悪しの評価ではなく、入口の通りやすさの目安として提示しています。
ここが本題:収容定員充足率103.1%が示す二つの顔
偏差値の話は上位の記事がどこも書いています。私がこの記事で最も見てほしいのは、当サイトが軸に置く別の一次データ、収容定員充足率です。横浜薬科大学の収容定員充足率は103.1%です(出典:私学版大学ポートレート、日本私立学校振興・共済事業団、2025年)。この一つの数字が、正反対の二つの意味を同時に持ちます。
一つ目の顔は、健全さです。充足率が100%を超えているということは、収容定員に対して在籍学生が満たされている、つまり定員割れを起こしていないという意味です。地方や小規模の私立薬科大学の中には、定員の半分ほどしか学生が集まらない大学も珍しくありません。その中で横浜薬科大学は103.1%を維持しています。「Fランだから経営が危ない」「潰れるのでは」という不安に対しては、少なくとも学生募集の面では反証になります。薬剤師という国家資格に直結する需要が、この大学を選ぶ層を毎年一定数供給している事実がここに表れています。
二つ目の顔は、入りやすさの裏返しです。偏差値35前後(学科によってはBF)で充足率が100%を超えるという組み合わせは、裏を返せば来た人をほぼ受け入れていることを意味します。選抜が強く働いていれば、偏差値はもっと上がるはずです。低い偏差値と高い充足率が同居している状態こそ、当サイトが判定をA(実質全入)とした根拠でもあります。つまり充足率103.1%は、経営の健全さの証明であると同時に、入口が広く開いていることの証明でもある。この二面性を分けて理解することが、横浜薬科大学を正しく評価する出発点です。数字が高いから安心、低いから危険という単純な読み方をしないことが大切です。
「やばい」「恥ずかしい」という噂を類型で検証する
検索の候補には「横浜薬科 やばい」「恥ずかしい」「ひどい」が並びます。ただ、これらは個別の書き込みを逐一並べても意味がありません。ここでは噂を発生源の類型に分けて、事実で確認できる部分だけを整理します。
- 類型1:偏差値が薬学部の最下層である。これは事実に基づく指摘です。前述のとおり河合塾でBF〜37.5で、薬学部内では低い帯にあります。ただし入口が低いことと、卒業の価値が低いことは別問題です。この点は後述の国試と就職で分けて見る必要があります。
- 類型2:進級・ストレート卒業のハードルが高い。薬学部は6年制で、進級試験と卒業試験が厳しく、入学者全員が6年で卒業できるわけではないという指摘です。これは横浜薬科に限らず、入口が広い薬科大学に共通する構造です。入りやすさと出やすさは別だと理解しておくべきです。
- 類型3:入学者数と国家試験受験者数に差がある。掲示板などで、入学時の人数と国試を受ける人数が違うという趣旨の書き込みが見られます。これは類型2を別角度から言ったもので、途中でふるいにかけられる構造を指しています。数値は次章で公式ベースに整理します。
- 類型4:他大学の出来事との取り違え。ネガティブな噂の一部は、名前が似た別の薬科大学の出来事と混同されて広まっているケースがあります。特定の事件を横浜薬科大学の事実として断定する書き込みには、出所が確認できないものが混ざります。当サイトは裏の取れない個別の逸話は事実として扱いません。
「恥ずかしい」という感情的な評価については、当サイトは特定個人や在学生をおとしめる表現を再掲しません。匿名の「ワースト何位」といった順位づけも、根拠が追えないため採用しません。偏差値という一次データと、次章以降の国試・就職という結果データを分けて見れば、噂の何が事実で何が印象論かは自分で判断できます。
就職・進路は大学公式データで確認する
薬学部の価値は、入口の偏差値ではなく出口で決まります。ここは印象論を避け、大学公式と河合塾のデータを主軸に置きます。
横浜薬科大学の公式サイト(進路・就職データ)には、就職先として病院・薬局・企業・公務員の実名が幅広く掲載されています。病院ではIMSグループ(東戸塚記念病院)、太田総合病院、神奈川県立病院機構、亀田総合病院など、薬局ではアイングループ、ウエルシア薬局、I&H、イオンリテールなど、企業では科研製薬、杏林製薬、キッセイ薬品工業、シミック、東光薬品工業などが挙がっています(出典:横浜薬科大学公式サイト 進路・就職データ)。
就職率の数字はBenesseマナビジョンが公式集計を掲載しています。6年制の健康薬学科・漢方薬学科・臨床薬学科は、卒業者266人・就職者173人/就職希望者176人で就職率98.2%(2024年4月12日時点)。4年制の薬科学科は卒業者32人・就職者25人/希望者25人で就職率100%です(出典:Benesseマナビジョン)。就職を希望した人に限れば、ほぼ行き先が決まっているのが実態です。
進路全体の内訳は河合塾Kei-Netに整理があります。2024年度の薬学部卒業者305名のうち、進学8名(2.6%)、就職212名(70.5%)、その他82名(26.9%)です(出典:河合塾Kei-Net)。就職希望者ベースの98.2%と、卒業者全体ベースの70.5%の差が「その他」であり、これは国家試験に届かず翌年に再挑戦する層などを含みます。
その国家試験の合格状況も公式・Kei-Netで確認できます。第110回(2025年)は新卒87.7%(155人中136人)、既卒36.4%、全体52.8%(487人中257人)。第111回(2026年)は新卒77.6%(143人中111人)、既卒29.5%、全体44.2%(466人中206人)でした(出典:河合塾Kei-Net、横浜薬科大学公式)。新卒に絞れば合格率は高い年で87.7%まで届く一方、既卒を含めた全体では50%前後に落ちます。この差は、卒業試験で国試に届く学力の層を絞り込んでいる構造を表しています。就職を語るときは、まず国試を新卒で通れるかどうかが分岐点になります。
横浜薬科大学で学べること・4学科の特色
横浜薬科大学は薬学部の単科大学で、6年制の3学科と4年制の1学科に分かれています。学科ごとに狙う進路が違うので、志望前に区別しておくと良いです。
- 健康薬学科(6年制):薬剤師資格を土台に、セルフメディケーションや予防・健康管理に強みを置く学科です。ドラッグストアや地域の健康支援を意識したカリキュラムが組まれています。
- 漢方薬学科(6年制):日本の薬学部では数の少ない、漢方を専門に掲げる学科です。西洋薬と東洋医学の両方を学べる点が独自色で、偏差値表ではBFと最も入りやすい一方、学べる内容はニッチで差別化されています。
- 臨床薬学科(6年制):病院やチーム医療の現場を意識し、臨床に軸足を置いた学科です。病院薬剤師を目指す人の入口になります。
- 薬科学科(4年制):薬剤師国家試験の受験資格は得られませんが、創薬研究や企業の研究開発職、理科の教員免許取得などに進む道です。大学院進学者も相対的に多く、2024年度は卒業32人中5人が進学しています(出典:Benesseマナビジョン)。
6年制は卒業で薬剤師国家試験の受験資格が得られ、4年制は所定単位で食品衛生管理者・毒物劇物取扱責任者などの任用資格や、中学・高校の理科教員一種免許につながります(出典:大学ポートレート)。同じ大学でも、資格の出口が学科で大きく変わる点は最初に押さえておくべきです。入りやすさだけで学科を選ぶと、目指せる進路がずれることがあります。
入試方式と合格難易度
横浜薬科大学の入試は、総合型選抜、学校推薦型選抜(指定校・公募)、一般選抜、大学入学共通テスト利用の4系統が中心です。指定校推薦(特別枠)や特待生区分は、学費の優遇と結びついています(出典:進路ナビ、ベスト進学ネット)。
難易度の目安は前述のとおりで、河合塾ではBF〜37.5、共通テスト利用の得点率は42%〜45%です(旺文社パスナビ)。一般選抜の倍率はおおむね2〜3倍程度とされますが、これは合格者を多めに出したうえでの見かけ倍率であり、学力で大きく絞られるタイプの入試ではありません。当サイトがA(実質全入)と判定しているのは、募集が定員を満たしつつ、選抜が強く働いていないこの状態を指します。
系統別に見ると、横浜薬科大学は総合型選抜と学校推薦型選抜の比重が大きく、年内に進路を固める受験生が一定数を占めます。一般選抜と共通テスト利用は、他大学の薬学部と併願する層の受け皿になっています。いずれの方式でも、成績上位で入れば特待生区分に乗るため、入試は合格するかよりも、どの条件で合格するかを意識した方が得です。
受験生の視点で言えば、横浜薬科大学は入ること自体の難易度は低い大学です。勝負は入学後の進級と国家試験に移ります。入口の通過を目的にするのではなく、6年間で新卒合格の側に残れるかを基準に、他の薬科大学と比較検討するのが現実的です。
学費と奨学金・特待生制度
薬学部は6年間通うため、学費は進学判断の大きな要素です。横浜薬科大学の初年度学納金は、6年制で235万円、4年制(薬科学科)で195万円です(出典:Benesseマナビジョン、2025年度)。6年制は初年度以降も年200万円前後がかかり、一般学生の6年間総額はおおむね1,200万円台に達します。
負担を下げる仕組みが、入試成績に応じた特待生・特別奨学生制度です。区分は指定校推薦(特別枠)・総合型選抜(AO除く)・特待生S・特待生A・特待生B・特別奨学生の6種類で、授業料の一部または全額が免除されます(出典:ベスト進学ネット)。2024年度実績では、6年制の特待生Sは6年間の授業料全額免除で学納金総額が約430万円、特待生Aは約760万円、特待生Bは約1,000万円、特別(特別枠)は初年度授業料全額免除で約1,105万円とされています(出典:進路ナビ)。免除された授業料に返還義務はなく、2年次以降も成績・出席に大きな問題がなければ継続されます(出典:Benesseマナビジョン)。
このほか、大学独自の貸与型奨学金「浜薬修学支援貸与基金」や、日本学生支援機構の奨学金、国の高等教育の修学支援新制度(横浜薬科大学は対象校)が利用できます(出典:大学ポートレート、横浜薬科大学公式)。入口の偏差値が低いぶん、成績上位で入れば学費を大きく圧縮できる設計になっており、特待生を取れるかどうかで総支払額は数百万円単位で変わります。学費の観点でも、入試でどの条件を取れるかが実質的な勝負どころです。
立地とキャンパス
横浜薬科大学は神奈川県横浜市戸塚区俣野町601に、単一キャンパスを構えています。2005年開学と、薬学部としては比較的新しい大学です。
キャンパスの象徴は、地上21階建ての図書館棟です。最上階には展望ラウンジがあり、横浜方面や周辺を見渡せる眺望が、在学生の口コミでも肯定的に語られています。実験・実習の設備面も、新しい大学らしく整っている点が評価されています。
アクセスは最寄り駅からバス利用が基本で、大学が無料のスクールバスを運行しています。都心の駅前立地ではないぶん、通学に一定の時間がかかる点は志望前に確認しておくべきポイントです。神奈川県内・首都圏南部から通える範囲かどうかは、6年間通う前提で現実的に見ておくと安心です。
周辺は横浜市南西部の落ち着いた環境で、大規模な繁華街に隣接する立地ではありません。学業と実習に集中しやすい反面、生活の利便や下宿・通学の負担は、都心キャンパスの大学と比べて事前に見積もっておく必要があります。
横浜薬科大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえ、どんな人に向くかを整理します。良い悪いではなく、条件の合致で考えるのが実際的です。
向いている人
- 今の偏差値では上位薬科大に届かないが、6年間で自分を追い込んで新卒で国試に受かる覚悟がある人。
- 入試成績で特待生を狙い、学費を大きく圧縮する前提で進学できる人。
- 漢方など、他大学では学びにくい専門領域に明確な関心がある人。
- 研究職・企業・教員など、薬剤師免許以外の出口(薬科学科)も視野に入れている人。
慎重に考えたい人
- 入試の通りやすさだけを理由に選び、入学後の進級・国試対策の負荷を軽く見ている人。薬学部は入ってからが本番です。
- 特待生を取れず、6年間で1,200万円前後の学費を無理なく負担できる見通しが立たない人。
- 大学名のブランドを就職の主軸にしたい人。横浜薬科の出口は、大学名より国試合格と資格で決まります。
入口が広い大学だからこそ、入る前に出口の条件を自分の言葉で説明できるかが、後悔しないかどうかの分かれ目になります。
まとめ:横浜薬科大学はFランか
結論を一次データで整理します。横浜薬科大学の偏差値は河合塾でBF〜37.5、薬学部の最下層帯で、当サイトの中立判定はA(実質全入)です。漢方薬学科はBFで、河合塾が難易度を数値化できない真性のFラン帯にあたります。この意味では、Fランかという問いに入口の数字だけで答えるなら、イエスに近いのが実態です。
ただし本題は収容定員充足率103.1%の二面性でした(私学版大学ポートレート、2025年)。この数字は、定員割れしていない経営の健全さと、選抜が働いていない入りやすさを、同時に説明します。そして出口を見れば、新卒の国試合格率は高い年で87.7%、就職希望者の就職率は98.2%(2024年、公式・河合塾Kei-Net・Benesse)と、入口の偏差値だけでは測れない結果も出ています。
横浜薬科大学は、入口が広く出口で絞られる大学です。Fランという一語で切り捨てるのも、逆に問題なしと持ち上げるのも、どちらも実態を取りこぼします。偏差値・充足率・国試・学費という一次データを分けて見て、新卒で受かる側に残れるか、学費を負担できるかを自分の条件で確かめること。それが、この大学に向き合う唯一まっとうな方法です。
よくある質問
横浜薬科大学はFランですか?
河合塾の偏差値はBF〜37.5で薬学部の最下層帯、当サイトの中立判定はA(実質全入)です。漢方薬学科はBF(河合塾が難易度を出せない帯)にあたります。入口の数字ではFランに近い一方、新卒国試合格率や就職率など出口の結果は偏差値だけでは測れません(出典:河合塾Kei-Net、私学版大学ポートレート)。
収容定員充足率103.1%はどういう意味ですか?
収容定員に対して在籍学生が満たされ、定員割れしていないという意味です(私学版大学ポートレート2025年)。経営面の健全さを示す一方、低い偏差値で充足率が100%を超えることは、入口が広い(実質全入に近い)ことの裏返しでもあります。二つの意味を分けて読むのがポイントです。
横浜薬科大学の薬剤師国家試験合格率は?
第110回(2025年)は新卒87.7%・全体52.8%、第111回(2026年)は新卒77.6%・全体44.2%です(出典:河合塾Kei-Net、横浜薬科大学公式)。新卒に絞ると高く、既卒を含む全体では50%前後に下がります。新卒で受かれるかが進路の分岐点になります。
横浜薬科大学は就職できますか?
2024年時点で6年制の就職率は98.2%、4年制は100%です(就職希望者ベース、出典:Benesseマナビジョン)。就職先は病院・薬局・製薬企業・公務員など、公式サイトに実名が公開されています。ただし薬剤師として働くには国家試験の合格が前提です。
横浜薬科大学の学費はいくらですか?
初年度学納金は6年制235万円、4年制195万円で、6年制の一般学生の総額はおおむね1,200万円台です(出典:Benesseマナビジョン2025年度)。特待生S〜Bなど6種類の制度で授業料の一部から全額が免除され、総額を数百万円単位で下げられます。
横浜薬科大学はどこにありますか?
神奈川県横浜市戸塚区俣野町601にある薬学部の単科大学で、2005年開学です。地上21階建ての図書館棟が象徴で、通学は最寄り駅からのバスと大学の無料スクールバスが基本になります。