― 大学別データ判定 ―
昭和薬科大学は本当にFラン?いや、偏差値47.5の実力を数字で論破する
元偏差値40大学卒・受験指導歴8年の森田涼が、河合塾偏差値と国家試験の出口で中立に判定します(Fラン大学.com独自判定)

この記事の目次
河合塾の偏差値は45.0〜47.5。まず数字を正確に置く
私が大学の実像を確かめるとき、最初に見るのは口コミではなく河合塾のボーダー偏差値です。噂は主観が混ざりますが、偏差値は合否が五分に分かれるラインという定義がはっきりしているからです。昭和薬科大学の薬学部薬学科は、河合塾Kei-Netで45.0〜47.5、共通テスト得点率は59%〜61%に置かれています。方式ごとに分けると次のとおりです。
| 入試方式 | 河合塾ボーダー偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 一般選抜B方式 | 45.0 | ー |
| 共通テスト利用C方式 | 47.5 | 59% |
| 共通テスト利用D方式 | 45.0 | 61% |
| 共通テスト利用A方式 | ー | 59% |
| 学部学科ランク(目安) | 45.0 | ー |
(出典:河合塾Kei-Net大学検索システム 昭和薬科大学 ボーダー偏差値 2027年度/旺文社パスナビ 河合塾提供データ 2026年度入試)
Fラン大学.comの中立判定の物差しでは、偏差値42.5以上は明確に非Fランです。昭和薬科大学の45.0〜47.5はこの線を上回っており、実質全入とは全く異なります。加えて昭和薬科大学は1930年創立の単科薬科大学で、薬学だけを90年以上続けてきた伝統校です。ここで一つ強調しておきます。医療・資格系の大学は、偏差値の数字そのものより、国家試験に受かって免許を取れるかという出口で評価すべきです。偏差値は入口の難しさにすぎません。だから本記事では、偏差値の次に必ず国家試験と就職を見にいきます。
もう一つ注意があります。予備校によって偏差値の表記は異なり、ベネッセでは60前後、東進では50前後と出ることがあります。これは各社の模試を受ける母集団が違うためで、数字が高いから難しい、低いから易しいと単純比較はできません。Fラン大学.comが河合塾を基準に採用しているのは、国公立と私立を横断する母集団が広く、大学入試の難易度指標として一般的に使われているからです。同じ物差しで全大学を比べるために、本記事の偏差値はすべて河合塾ベースで統一しています。
ここが本題。収容定員充足率107.8%が持つ二つの意味
他の評判サイトがほとんど触れないのに、私が最も重視する一次データが収容定員充足率です。これは大学が定めた在籍定員に対して、実際に何割の学生が在籍しているかを示す数字で、在籍者数を収容定員で割って算出します。私学版大学ポートレートで公開されており、昭和薬科大学の充足率は107.8%です(出典:私学版大学ポートレート/日本私立学校振興・共済事業団 2025)。この107.8%には二つの読み方があります。
一つ目は健全さの証拠という面です。近年、私立の薬学部では定員割れ、つまり充足率が100%を下回る大学が珍しくありません。少子化に加え、薬学部の新設が相次いだことで、椅子の数に対して受験生が足りていないからです。その中で昭和薬科大学が100%を超えているという事実は、今もこの大学を選ぶ受験生が定員以上に集まっていること、そして経営が安定していることを意味します。定員割れの大学に見られる、学生を集めきれず質より数を優先せざるを得ない状態とは反対側にいます。単科の薬科大学として、90年以上のあいだ受験生から選ばれ続けている証と言い換えてもいいでしょう。
二つ目は誤読への注意です。充足率が高いことは人気と経営健全性の指標であって、入試難易度そのものではありません。107.8%はあくまで定員をわずかに上回る適正な水準で、乱造的に定員の何倍も詰め込んでいるわけではありません。つまり昭和薬科大学は、必要な人数をきちんと満たしながら、水増しはしていない。難易度を知りたいなら、この充足率とは別に偏差値45.0〜47.5と倍率を見るのが正しい順序です。充足率が高いから入りやすい、あるいは逆に難しい、と短絡しないでください。充足率は大学が健全に回っているかを、偏差値は入口の難しさを、それぞれ別の角度から示す数字だと整理すると、昭和薬科大学の実像がぶれずに見えてきます。
「昭和薬科大学 やばい・恥ずかしい」と検索される理由を冷静に検証する
昭和薬科大学と一緒に、やばい、恥ずかしい、といった言葉で検索する人がいます。私は受験指導を8年続けてきましたが、こうした言葉の裏には具体的な事実より、いくつかの決まった型の不安があります。個人を特定する書き込みや、順位づけした匿名の悪評をそのまま載せることはしません。事実で応じます。
- 型1・偏差値がトップ薬科より低いという相対比較。慶應や星薬科、北里などと並べると数字は下に見えます。ただしそれは頂点との比較であって、45.0〜47.5は薬科大学として中位であり、Fランの水準ではありません。比較する相手を変えれば見え方も変わります。
- 型2・国家試験の総合合格率が7割台という不安。これは既卒受験者を含む数字で、6年制薬学部に共通する構造です。後述のとおり新卒に限れば8割前後を維持しており、極端に低いわけではありません。
- 型3・単科で地味、通学の坂がきついという生活面。これは事実に近い体感で、立地の章で正面から扱います。学問や国試実績の質とは別の話です。
- 型4・学費が高いという声。私立薬学部6年制はどこも高額で、昭和薬科大学だけが突出しているわけではありません。金額の高さは大学の質の低さを意味しません。
まとめると、やばいという言葉の多くは、トップ校との比較、6年制特有の国試構造、生活面の不便から来ています。大学の教育そのものが破綻しているという意味での根拠は、私が確認した一次データからは見当たりません。恥ずかしいという感情語も、偏差値ブランドを気にする視点から生まれるもので、薬剤師免許という出口の価値とは切り離して考えるべきです。
就職・進路と薬剤師国家試験。資格系は出口で評価する
ここが医療・資格系の大学で最も大切な章です。河合塾Kei-Netの進路概況によると、2024年度の薬学部卒業者203名のうち、就職者167名(就職率82.2%)、進学者4名(進学率2.0%)となっています(出典:河合塾Kei-Net大学検索システム 進学・就職実績)。大学公式の卒業生の進路ページでも、2025年度の卒業生もほとんどが希望に沿った内定を得たと説明されています(出典:昭和薬科大学 公式サイト 卒業生の進路)。
主な就職先は病院、薬局、製薬企業、公務員に分かれます。公式やスタディサプリ進路の内定状況では、虎ノ門病院や大学附属病院などの病院、あすか製薬やMeiji Seika ファルマ、全薬工業といった製薬企業、日本調剤やアインホールディングスなどの調剤・薬局チェーンの名前が挙がっています(出典:スタディサプリ進路 昭和薬科大学 薬学部 内定状況)。薬剤師免許を土台にした、医療と製薬の実務職が中心で、送客ありきの不安定な進路ではありません。
肝心の薬剤師国家試験の合格率は次のとおりです。
| 薬剤師国家試験 | 新卒合格率 | 総合合格率 |
|---|---|---|
| 第109回 | 83.11% | 77.47% |
| 第110回 | 81.19% | 73.96% |
| 第111回 | 78.18% | 70.42% |
(出典:昭和薬科大学 公式サイト 薬剤師国家試験・資格/河合塾Kei-Net 医療系国家試験合格状況)
読み方の要点は二つです。第一に、総合合格率が7割台なのは、前年までに合格できなかった既卒受験者を分母に含むためで、これは6年制薬学部すべてに共通する下振れ要因です。実際、第110回では新卒81.19%に対し既卒は53.3%で、この差が総合を押し下げています。第二に、新卒に限れば8割前後を安定して維持しており、これは中位の私立薬科大学として標準的な出口です。偏差値45.0〜47.5という入口の数字だけを見て不安になるより、6年後に薬剤師免許を取って安定した医療職に就ける確率を見るほうが、この大学の価値を正しく測れます。全国平均の具体値は本記事で確認できた一次資料に明示がなかったため断定しませんが、新卒8割という水準は、実質全入の大学が並ぶFランの出口とは明確に異なります。
学べること・学部の特色。薬学一本の単科大学
昭和薬科大学は薬学部薬学科のみの単科大学で、6年制の薬剤師養成に特化しています。総合大学のように多学部はなく、全学生が同じ薬剤師という目標に向かうため、連帯感が強いのが構造的な特徴です。教育は基礎薬学を重視し、薬の作用や化学反応、生命現象といった土台を固めたうえで、臨床の実務実習につなげる設計になっています(出典:スタディサプリ進路 昭和薬科大学 薬学部)。研究面でも先端的なプロジェクトを持ち、その成果が国家試験の安定した合格実績につながっているという位置づけです。
- 薬用植物園・薬科大学の中でも屈指の規模を持ち、民間薬区や木本区、水生区、湿生区、草本区などに分かれています。土曜日には一般公開もあり、実物の薬用植物で学べる環境は、数字に表れない教育資源としての強みです。
- e-ラーニング・授業を録画で視聴できる仕組みがあり、復習や定期試験前の整理に使えると在学生から高く評価されています。
- アドバイザーグループ制・学籍番号順に15人程度で区切り、教員が1人つく少人数の相談体制があります。単科ならではの面倒見のよさで、不安や相談に対応しやすい環境です。
- 国家試験対策・入学時から計画的に指導し、国家試験対策委員会や総合薬学教育研究室、教授陣が一体で講義や補講、模擬試験、最終総合演習を行います(出典:昭和薬科大学 公式サイト 薬剤師国家試験・資格)。
男女比はおおむね男子3割、女子7割で、女子学生が多い落ち着いた環境です。前身が昭和女子薬学専門学校であった歴史も、この学生層に影響しています。
入試方式と合格難易度
昭和薬科大学の入試は、大きく分けて一般選抜、共通テスト利用、学校推薦型の三系統です。
- 一般選抜B方式・英語、数学、化学の3科目300点満点。薬学部らしく化学の完成度が実質的な鍵になります。
- 共通テスト利用(A・C・D方式)・共通テストの得点や個別試験との併用で判定します。C方式の共テ得点率は59%、D方式は61%が目安で、C方式はボーダー偏差値47.5とやや高めです。
- 学校推薦型(併願制)・他大学と併願できる形式で、早めに合格を確保したい受験生の選択肢になります。
倍率は年度や方式で動きますが、近年はおおむね2倍から3倍台で推移しており、極端な全入でも狭き門でもない、中位薬科らしい水準です(出典:私大薬学部データリスト yakugak-univ.com、河合塾Kei-Net)。合格の鍵は、英語と数学で取りこぼさず、化学を得点源に仕上げられるかどうかです。偏差値45.0〜47.5は、基礎を固めて標準問題を確実に取れば十分に射程に入る難易度で、逆に言えば化学の対策が甘いと足元をすくわれます。
学費と奨学金
私立薬学部6年制はどこも高額で、昭和薬科大学もその例外ではありません。初年度納入金は入学金を含めておよそ245万円(2026年度参考、出典:スタディサプリ進路 昭和薬科大学 学費)で、2年目以降は年200万円前後が目安です。6年間の総額はおおむね1,200万円台になる概算です。入学金は35万円ほどで、この水準は首都圏の私立薬科大学として標準からやや高めの範囲に収まります。特別に安いわけではありませんが、他の私立薬学部から極端に外れた金額でもありません。
奨学金については、日本学生支援機構(JASSO)の貸与・給付型奨学金に加え、大学独自の奨学金や特待制度が用意されています。ただし採用条件や金額は年度で変わるため、具体的な適用可否は必ず大学の最新の募集要項で確認してください。ここで金額を断定することはしません。学費は高いものの、6年後に薬剤師という国家資格に直結する投資である点は、就職の安定度や生涯の資格価値も含めて、他学部とは性格が違うことを押さえておくとよいです。
立地とキャンパス
キャンパスは東京都町田市東玉川学園にあります。最寄りは小田急線の玉川学園前駅とJR横浜線の成瀬駅で、駅から徒歩でおよそ15分から20分強、玉川学園前駅側は急な坂を上る道のりです。この通学のきつさが口コミで最も不満に挙がる点で、みんなの大学情報でも立地の評価は低めに出ています(出典:みんなの大学情報 昭和薬科大学)。毎朝の坂は、正直に言えば楽ではありません。
一方で、キャンパスそのものは緑豊かで広大です。屈指の規模の薬用植物園に加え、テニスコートやグラウンドなどの施設もそろっています。1930年に目黒で昭和女子薬学専門学校として創立し、その後の移転を経て、1950年に昭和薬科大学となり、1990年に現在の町田キャンパスへ移転しました。駅からの距離という弱点と、静かで研究や勉強に集中できる環境という強みが表裏一体になっているのが、この立地の実像です。都心の喧騒から離れて6年間を薬学に注ぎたい人には、むしろ向いた環境と言えます。
昭和薬科大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえて、私なりの適性を整理します。持ち上げも貶めもせず、事実ベースで書きます。
- 向いている人・薬剤師に一直線で、単科の連帯感と少人数の面倒見のよさを歓迎できる人。国家試験対策の手厚さや、録画授業などの学習サポートを重視する人。緑の多い落ち着いた環境で6年間集中したい人。
- 合わない可能性がある人・総合大学の多様な学部や華やかなキャンパスライフを求める人。駅近で平坦な通学を最優先する人。偏差値のブランドや大学名の知名度を第一に選びたい人。
薬剤師という出口が明確な人にとって、昭和薬科大学は入口の偏差値以上に価値のある選択肢になり得ます。逆に、まだ薬学に絞りきれていない人には、単科であること自体が窮屈に感じられるかもしれません。自分がどちらの側にいるかを、偏差値ではなく将来の職業から逆算して考えるのが、この大学と相性を測る一番確実な方法です。
まとめ・昭和薬科大学はFランか
結論を繰り返します。昭和薬科大学はFランではありません。判断の根拠は次のとおりです。
- 河合塾偏差値45.0〜47.5で、Fランの目安である42.5を上回る中位の私立薬科大学。
- 収容定員充足率107.8%で、定員割れが広がる薬学部の中では需要と経営が健全な側。
- 1930年創立の薬学単科の伝統校で、実質全入の大学とは成り立ちが異なる。
- 薬剤師国家試験の新卒合格率は8割前後を維持し、資格系として見るべき出口が機能している。
持ち上げすぎず、貶めすぎずに言えば、昭和薬科大学は派手さや偏差値ブランドで勝負する大学ではなく、薬剤師免許という出口で価値が決まる堅実な単科大学です。医療・資格系は偏差値の数字より国家試験と就職で評価すべき、というのが本記事の一貫した立場です。以上はFラン大学.com独自の中立判定であり、最終的な数値は必ず大学公式や河合塾の最新データで確認してください。
よくある質問
昭和薬科大学はFランですか?
いいえ。河合塾偏差値45.0〜47.5でFランの目安42.5を上回り、収容定員充足率も107.8%、1930年創立の伝統ある単科薬科大学です。実質全入のFランには当たりません。評価は偏差値より薬剤師国家試験の出口で見るべき大学です。
昭和薬科大学の偏差値はどのくらいですか?
河合塾Kei-Netで薬学部薬学科45.0〜47.5、共通テスト得点率59%〜61%です(2026〜2027年度)。方式別ではC方式が偏差値47.5、B方式とD方式が45.0の目安です。ベネッセや東進では母集団が違うため数字が異なります。
薬剤師国家試験の合格率は?
第111回で新卒78.18%・総合70.42%、第110回で新卒81.19%、第109回で新卒83.11%です。新卒は8割前後を維持しています。総合が下がるのは前年までの既卒受験者を含むためで、6年制薬学部に共通する構造です。
学費はいくらですか?
初年度は入学金込みでおよそ245万円、2年目以降は年200万円前後、6年間の総額はおおむね1,200万円台の概算です。私立薬学部として標準からやや高めの水準です。奨学金の適用可否や最新の金額は募集要項で確認してください。
評判・口コミはどうですか?
みんなの大学情報で3.69点、Yahooマップで3.61点など、集計サイトでは5点満点中3.6〜3.7点前後です。良い評価は単科の連帯感、国家試験サポート、録画授業。不満は玉川学園前駅からの坂道など立地面が中心です。
場所とアクセスは?
東京都町田市東玉川学園にあります。小田急線の玉川学園前駅、JR横浜線の成瀬駅から徒歩15〜20分強で、玉川学園前駅側は急な坂があります。緑豊かで広大なキャンパスに、屈指の規模の薬用植物園を備えています。