― 大学別データ判定 ―
作新学院大学は“誰でも入れる”Fラン?就職まで数字で判定した
河合塾Kei-Net 2027の偏差値、私学事業団の収容定員充足率、大学公式の進路データで解剖した中立判定

この記事の目次
河合塾の偏差値で見る作新学院大学の難易度
いちばん多く検索されている偏差値から整理します。私が受験指導で必ず基準に置くのは河合塾のKei-Netです。合格可能性が50%に分かれるボーダーを予想した数字で、母集団が大きく、業界で最も参照される指標だからです。作新学院大学のボーダーを学部学科でまとめると、次のようになります。
| 学部 | 学科 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|---|
| 経営学部 | 経営学科 | 35.0 | 44% |
| 経営学部 | スポーツマネジメント学科 | BF | 48% |
| 人間文化学部 | 発達教育学科 | BF | 48% |
| 人間文化学部 | 心理コミュニケーション学科 | BF | 43% |
出典:河合塾Kei-Net 2027年度入試難易予想(大学検索システム)
数字を見ると、いちばん高い経営学科でも偏差値35.0。残る3学科はBF(ボーダーフリー)です。BFは、河合塾が模試の合否データから難易度を算出できないほど合格率が高い、つまり不合格になる受験生がほとんど見当たらない状態を指します。偏差値の目盛りが振れない最下層と考えてください。
ここで当サイトの判定基準を先に明かします。私たちは偏差値帯を二段階で見ています。BFは河合塾が難易度を出せない真性のFラン帯。偏差値35前後は、選べば誰でも受かるに近い実質全入の帯です。作新学院大学は経営学科が35.0、ほか3学科がBF。総合すると、当サイトの中立判定はA(実質全入)としています。これは特定の大学を見下すための格付けではなく、受験生と保護者が入試の現実を測るための、当サイト独自の中立指標です。
共通テスト利用方式でも得点率のボーダーは43〜48%。5割前後で合否が分かれる設計です。国公立や難関私大の水準とは距離があり、基礎学力を固めれば十分に手が届く、というのが偏差値から読み取れる実像です。
本題は偏差値ではない。収容定員充足率94.8%が示す二面性
ここがこの記事の核心です。偏差値は入試の難しさを測る数字にすぎません。私が受験生や保護者に必ず一緒に見てもらうのが、収容定員充足率という別の軸のデータです。作新学院大学の収容定員充足率は94.8%(出典:私学版大学ポートレート/日本私立学校振興・共済事業団 2025)。この数字は、偏差値とはまったく別の事実を語ります。
収容定員充足率とは、大学が受け入れられる定員(収容定員)に対して、実際に何割の学生が在籍しているかを示す割合です。100%なら定員ぴったり。これが70%台まで落ちる大学は、志願者が集まらず、経営に黄信号がともり始めます。定員割れが慢性化して統廃合や募集停止に追い込まれる、いわゆる消える大学は、この充足率が低いのが共通点です。偏差値の数字だけを見て「潰れそう」と決めつける前に、この一次データを確認してほしいのです。
作新学院大学の94.8%は、二つの面から読む必要があります。
面1(規模と需要の健全さ): 94.8%は、ほぼ定員を満たしている水準です。偏差値が低い大学のなかには、そもそも人が集まらず定員を大きく割る学校が珍しくありません。作新学院大学はそことは違い、栃木県内で一定の需要と学生規模を維持しています。付属の作新学院高校を擁する学園ブランドと、地元で学んで地元で就職したいという層が、この充足を下支えしています。「偏差値が低い=誰も来ない斜陽校」という単純な図式には当てはまりません。
面2(選抜の緩さ): 一方で94.8%は100%をわずかに下回っています。定員を完全には埋め切っていない。そのうえ偏差値は35前後で、入試は実質全入に近い。つまり幅広く受け入れて、ほぼ定員に届かせているという構造です。充足率が高いこと自体は経営の健全さを示しますが、それは入試のハードルを下げて間口を広げていることと表裏一体でもあります。
まとめると、作新学院大学は「偏差値は低いが、地元での規模と学生数はしっかりある」という、Fランのなかでも体力のある層に位置します。真性の定員割れ校(充足率が大きく100%を割る学校)とは、はっきり分けて考えるべきです。偏差値の低さだけを見て消えそうな大学と決めつけるのは、この充足率データの前では正確ではありません。ここまで一次データで踏み込む記事は競合にほとんど見当たらないので、判断材料として持ち帰ってください。
「作新学院大学はやばい・恥ずかしい」という声を類型で検証
検索候補には「やばい」「恥ずかしい」といった言葉が並びます。ネット上の書き込みには匿名の主観や、一部を切り取った印象が多く含まれます。個人を特定する書き込みや差別的な表現をそのまま引くことはしません。ここでは、よく見かける声を五つの類型に整理し、一次データと突き合わせて検証します。
類型1:偏差値が低く入りやすい。 これは事実に近い指摘です。前述の通りBF〜35.0で、入試の難易度は高くありません。ただし入試の入りやすさは、教育内容や就職の質そのものを意味しません。ここを混同すると評価を見誤ります。
類型2:付属校からの内部進学が多い。 学校推薦型では、付属の作新学院高校から進む学生が一定数います。内部進学の比率が高いこと自体は珍しくなく、良し悪しではなく大学の成り立ちの特徴として捉えるのが妥当です。
類型3:駅から遠い・通学が不便。 かつては宇都宮駅から距離があり、坂道でアクセスが悪いという声がありました。ただし宇都宮の次世代型路面電車(LRT)が開通し、現在はLRT停留所前という立地に変わっています。古い評判と現在の条件が食い違う典型例なので、両方を踏まえて判断してください。
類型4:教員の当たり外れがある。 講義の質にばらつきを感じるという口コミは散見されます。これは規模の大きい大学でも起きる主観的な体感で、学科や担当者によるため、一律に良い悪いとは言えません。オープンキャンパスや在学生の声で、自分が入る学科を確かめるのが確実です。
類型5:消える大学ではないか。 これは充足率94.8%が事実で反証します。定員をほぼ満たしており、募集停止が目前という水準ではありません。不安の出どころは「偏差値が低い=経営が危ない」という思い込みで、実データとは別物です。
就職・進路は大学公式データで見る
Fランかどうか以上に、多くの人が本当に気にしているのは出口です。ここは印象論を避け、公表データを軸にします。
大学が公表し、スタディサプリ進路に掲載されている実績は、卒業者数286名、就職希望者数262名、就職者数259名、就職率98.9%(就職者数÷就職希望者数)、進学者数10名です(出典:スタディサプリ進路)。この98.9%は分母が就職希望者なので高く出やすい数字です。卒業者全体を分母にした実就職率で見ると9割前後に落ち着きますが、それでも地方私立大学としては高い水準です。手厚い就職支援がこの数字を支えています。
主な就職先は、地元の金融機関とメーカー、公務員が軸です。大学が公表し各進路メディア(ベネッセ マナビジョン、就活ハンドブック)に掲載された2024年3月卒業生の実績には、足利銀行、栃木銀行、鹿沼相互信用金庫、とちぎんTT証券、日本郵便、SUBARU(航空宇宙カンパニー)、三菱ふそうトラック・バス、日立製作所、大塚商会、カワチ薬品、日清医療食品、栃木トヨタ自動車、益子町役場、さいたま市消防局などが並びます。全国区の大企業というより、栃木県を中心とした安定企業と地方公務員が中心という構図です。
公式サイトの「主な就職フィールド」では、学科ごとの進路がこう示されています(出典:作新学院大学 公式)。経営学科は一般企業・公務員(行政/警察/消防)・金融機関・会計/税理士事務所・高等学校教諭(商業)など。スポーツマネジメント学科はスポーツ関連企業や指導者・一般企業・公務員。発達教育学科は小学校教諭・特別支援学校教諭・一般企業・公務員。心理コミュニケーション学科は心理関連職・一般企業・公務員です。
就職支援は、教職員が一体で行うバックアップ体制が特徴です。就職ガイダンス、学内合同企業説明会、公務員志望者向け講座、年間を通した個別面談があり、資格取得支援講座(Wスクール)は受講料無料で提供されます(出典:作新学院大学 公式/ベスト進学ネット)。取得できる主な資格は、経営学科で高等学校教諭(商業)1種、発達教育学科で小学校教諭1種と特別支援学校教諭(知的障害)1種です(出典:ベネッセ マナビジョン)。大学名の弱さを、資格と支援でどこまで補えるかが、この大学で就職を勝ち取る鍵になります。
作新学院大学で学べること・学部の特色
作新学院大学は2学部4学科で構成されています。総合大学をうたいますが、実際の学びの柱は経営系と人間文化系の二つと理解しておくと迷いません。理系の専門学部は設置されていない点も、進路を考えるうえで押さえておきたいところです。
経営学部 経営学科: 企業経営、会計、マーケティング、地域ビジネスなどを実践的に学びます。地元企業や金融機関、公務員、商業科の教員を目指す学生が多い学科です。
経営学部 スポーツマネジメント学科: スポーツを「する」だけでなく「支える・運営する」視点から学びます。スポーツ関連企業や指導者、フィットネス業界などが進路の中心です。付属校が高校スポーツで実績を持つ学園の強みが背景にあります。
人間文化学部 発達教育学科: 小学校教諭や特別支援学校教諭を目指す学科です。教員免許の取得を軸に、子どもの発達や教育を学びます。地域の学校での実習や、教員採用に向けた支援が用意されています。
人間文化学部 心理コミュニケーション学科: 心理学とコミュニケーションを学び、心理関連職や一般企業、公務員へと進みます。対人支援や地域社会との関わりを重視した学びが特徴です。
入試方式と合格難易度
入試は、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜、大学入学共通テスト利用選抜が用意されています。前述の通り学校推薦型では付属校からの内部進学が一定数を占めます。
難易度は、河合塾のボーダーで一般選抜が偏差値35.0(BF除く)、共通テスト得点率が43〜48%です(出典:河合塾Kei-Net)。3学科がBFであることを踏まえると、基礎をていねいに固めれば合格は十分に狙える水準です。難関大学のような高い壁があるわけではありません。
むしろ受験生が意識したいのは、合格の可否より特待の獲得です。作新学院大学には、成績に応じて学費が大きく免除される学業奨学生制度があり、総合型選抜と学校推薦型選抜の合格者には特待に2回チャレンジできる仕組みもあります(出典:さんぽう進学ネット)。ただ受かるのではなく、どの成績で受かるかで4年間の負担が変わる、という設計です。
学費と奨学金
学費は全学部共通で、初年度納入金の合計はおよそ132万円(2026年度参考)です。入学手続時の納入額は約99万5000円で、これに学生会費などが加わります(出典:スタディサプリ進路/さんぽう進学ネット)。私立文系としては標準的な水準です。
注目すべきは、返還義務のない学業奨学生制度です(出典:さんぽう進学ネット)。
- 学業特待奨学生: 一般選抜の指定科目で得点率80%以上を取ると、初年度に95万円(入学金30万円+授業料65万円)が免除。2年次以降も授業料65万円が免除されます。
- 学業奨励奨学生: 得点率60%以上で、授業料45万円が免除されます。
- 共通テスト適用: 指定2科目の換算合計が基準点以上で、授業料45万円が免除されます。
偏差値のボーダーが35前後の大学で、得点率80%を取れば学費の大半が消える。ここに気づけるかどうかで、この大学の使い方はまったく変わります。基礎学力に自信がある人ほど、特待を前提に受験プランを組む価値があります。
立地とキャンパス
キャンパスは栃木県宇都宮市竹下町にあります(出典:みんなの大学情報)。以前は宇都宮駅から距離があり通学が不便という声がありましたが、宇都宮の次世代型路面電車(LRT)が開通し、現在はLRT停留所前という立地になりました(出典:ベスト進学ネット)。古い評判で「駅から遠い」と紹介されることがあるため、最新の交通条件を確認しておくと安心です。
施設面では、蔵書約25万冊で延床面積約5000平方メートルの図書館、食堂やコンビニ、ラウンジを備えた学生会館、600人を収容できる作新清原ホールなどがあります(出典:スタディサプリ進路)。地方私大として、学習環境と学生生活のインフラは一通りそろっている、という評価ができます。
作新学院大学が向く人・合わない人
ここまでのデータを踏まえて、私の指導の視点で向き不向きを整理します。大学名だけで良し悪しを決めず、自分の目的と照らし合わせてください。
向いている人
- 栃木県内の企業や地方公務員として、地元で働きたい人。就職実績と支援がこの層に厚い。
- 小学校教諭・特別支援学校教諭・商業科教諭など、教員免許を軸に進みたい人。
- スポーツを運営・支援する仕事に関心がある人。
- 基礎学力を固めて得点率80%を狙い、特待で学費負担を大きく下げたい人。
- 大学名の力より、手厚い就職・資格支援を使い倒したい人。
合わない人
- 就職活動で大学名による足切りを、大学のブランドで回避したい人。作新学院大学の知名度は全国区ではない。
- 首都圏や全国区の大企業に、学歴を武器に進みたい人。
- 理系の専門分野や研究志向を深めたい人。理系学部は設置されていない。
- 難関資格や大学院進学を主目的に据える人。
まとめ:作新学院大学はFランか
結論を、もう一度データで言い切ります。河合塾Kei-Net 2027の偏差値はBF〜35.0で、当サイトの中立判定はA(実質全入)。この一点だけを見れば、たしかにFランと呼ばれる水準です。
ただし、それは物語の半分にすぎません。収容定員充足率94.8%という一次データは、この大学が人が集まらず消える底辺校ではなく、栃木県内で規模と需要を維持している、Fランのなかでも体力のある大学であることを示しています。就職率は公表値で98.9%、地元の金融機関・メーカー・公務員に安定した実績があり、得点率次第で学費の大半が免除される特待も用意されています。
偏差値という一つの数字で「恥ずかしい」と切り捨てるのも、逆に不安だけで「消えそう」と決めつけるのも、どちらもデータの前では不正確です。私自身、偏差値40の大学から進路を切り開いてきました。大学名ではなく、その4年で何を積むかで進路は変わります。作新学院大学は、地元志向と目的がはっきりしている人にとっては、支援と特待を使い倒せる合理的な選択肢になり得ます。この記事の数字を、自分の目的と照らし合わせる材料にしてください。
よくある質問
作新学院大学はFランですか。
河合塾Kei-Net 2027の偏差値はBF〜35.0で、当サイトの中立判定はA(実質全入)です。偏差値だけを見ればFランと呼ばれる水準にあります。ただし収容定員充足率は94.8%で、志願者が集まらず定員を割る大学とは異なり、地元での規模と需要は維持しています。
作新学院大学の就職率はどのくらいですか。
大学が公表しスタディサプリ進路に掲載された実績で、卒業者286名・就職希望者262名・就職者259名、就職率98.9%(就職者数÷就職希望者数)です。分母が就職希望者のため高く出やすく、卒業者全体を分母にした実就職率では9割前後になります。主な就職先は地元の金融機関・メーカー・公務員が中心です。
作新学院大学は潰れる・消える大学ですか。
収容定員充足率は94.8%(私学事業団 2025)で、定員をほぼ満たしています。募集停止が目前という水準ではなく、慢性的な定員割れに陥っている大学とは区別して考えるべきです。偏差値の低さと経営の危うさは別の指標です。
作新学院大学の学費はいくらですか。特待はありますか。
初年度納入金の合計はおよそ132万円(2026年度参考)です。返還不要の学業奨学生制度があり、指定科目で得点率80%以上なら初年度95万円(入学金30万円+授業料65万円)が免除、60%以上なら授業料45万円が免除されます。
作新学院大学の立地とアクセスは。
栃木県宇都宮市竹下町にあります。以前は宇都宮駅から距離があり通学が不便という声がありましたが、次世代型路面電車(LRT)が開通し、現在はLRT停留所前の立地になっています。古い評判と現在の条件が食い違う点に注意してください。
作新学院大学はどんな人に向いていますか。
栃木県内で就職したい人、小学校・特別支援学校・商業科の教員を目指す人、スポーツマネジメントに関心がある人、手厚い就職や資格の支援と特待を活かしたい人に向きます。逆に大学名で就活の足切りを回避したい人や、理系専門・研究志向の人には合いません。