― 大学別データ判定 ―
岡山医療専門職大学は消える?定員50.2%割れの倒産リスクを河合塾データで判定
理学療法・作業療法の2学科を、河合塾の偏差値と私学事業団の充足率という2つの一次データで独自に格付け

この記事の目次
河合塾の偏差値で見る岡山医療専門職大学(学部・学科別)
まず、客観的な入口の難易度から確認します。岡山医療専門職大学は健康科学部の一学部制で、理学療法学科と作業療法学科の2学科で構成されています(学校法人本山学園が2020年4月に開学した、中国地方で初めての専門職大学です)。河合塾Kei-Net(2027年度入試向け)が示す学科別の偏差値は次の通りです。
| 学部 | 学科 | 河合塾偏差値 |
|---|---|---|
| 健康科学部 | 理学療法学科 | BF |
| 健康科学部 | 作業療法学科 | 35.0 |
「BF」はボーダーフリーの略で、河合塾が合格ボーダーとなる偏差値を設定できない状態を指します。志願者と合格者の関係から明確な合格ラインが引けないケースにつく表記です。作業療法学科の35.0も、大学全体の中では最下層に近い数値です。なお模試の実施年度や集計媒体によっては両学科ともBF表記になることもあり(みんなの大学情報の2026年度版では2学科ともBF)、いずれにせよ入口の学力ハードルは高くありません。
ここで当サイトの独自判定の基準を先に示します。偏差値だけを軸にした中立的な区分です。
- S(真性Fラン帯):河合塾が難易度を出せない最下層。BF表記で、選抜としての機能がほぼ働いていない水準。
- A(純Fラン帯・実質全入):偏差値35前後で、受験すれば誰でも受かるに近い水準。
この基準に当てはめると、理学療法学科はBF(S帯)、作業療法学科は35.0(A帯)に位置します。学科単位ではS帯を含みますが、35.0という数値がつく学科がある以上、大学全体を「難易度がまったく算出できない真性Fラン」と断じるのは正確ではありません。したがって当サイトは、岡山医療専門職大学の総合判定を「A:実質全入」とします(当サイト独自の中立判定であり、大学の教育の質を格付けるものではありません)。偏差値の出典は河合塾Kei-Net(2027年度)です。
ここが本題:収容定員充足率50.2%が示す二面性
偏差値は多くのサイトが載せています。当サイトが本題と考えるのは、ここからです。私学版大学ポートレート(日本私立学校振興・共済事業団)の2025年データによると、岡山医療専門職大学の収容定員充足率は50.2%です。収容定員充足率とは、大学が定めた収容定員(全学年の定員合計)に対して、実際に在籍している学生がどれだけいるかを示す割合です。50.2%は、定員のおよそ半分が埋まっている状態を意味します。
この数値には二つの面があります。両方を並べて見ないと判断を誤ります。
一つ目は、選抜という面です。定員の半分ほどしか在籍者がいないということは、入口で受験者をふるいにかける圧力が弱いことの裏づけです。偏差値がBF〜35.0であることと、この充足率は同じ現実の表と裏です。「実質全入」という当サイトの判定は、偏差値だけでなくこの充足率とも整合します。
二つ目は、環境という面です。定員に対して在籍者が少ないことは、裏を返せば教員一人あたりの学生数が抑えられ、少人数で手厚い指導が受けやすいという読み方もできます。実際、後述する国家試験対策は個別サポートを前面に出しており、これは小規模だからこそ回せる体制でもあります。ただし大学経営の安定性という観点では、充足率が低い状態が続くことは注意して見ておくべき指標です(一般論として、定員充足は学納金収入に直結します)。
収容定員充足率50.2%という一次データは、多くの「Fラン検証」記事が触れない部分です。当サイトはこの数値を、噂を裏づけも反証もできる中立の物差しとして提示します。出典は私学版大学ポートレート(私学事業団、2025年)です。
「やばい」「恥ずかしい」という噂を類型で検証する
検索候補に出てくる「やばい」「恥ずかしい」といった言葉は、具体的な中身を伴わないまま独り歩きしがちです。個別の書き込みをそのまま引用することはしません。噂を発生源ごとに類型化し、一次データと突き合わせて検証します。
類型1、偏差値が低いから。これは前述のBF〜35.0という数値が根拠です。入口の学力ハードルが低いのは事実で、この点で「Fラン」と呼ばれること自体は否定できません。ただしリハビリ職の養成校は資格取得が目的であり、入口偏差値と国家試験の結果は必ずしも一致しません。
類型2、新しくて歴史が浅いから。開学は2020年で、大学としての卒業生の蓄積はまだ多くありません。実績の母数が小さいことが「よく分からない、だから不安」という印象につながっている面があります。前身にあたる岡山医療技術専門学校は理学療法士・作業療法士の養成で長い実績を持ち、その系譜を継いでいる点は押さえておくべきです。
類型3、定員割れ。これは先ほどの充足率50.2%が実態です。定員割れは事実として存在します。ただしこれを「経営面の不安材料」と読むか「少人数環境の裏返し」と読むかで、評価は変わります。
類型4、専門職大学という枠組みへの誤解。専門職大学は2019年度に制度が始まった比較的新しい大学類型で、従来の大学や専門学校との違いが一般に浸透していません。「大学なのか専門学校なのか」という戸惑いが、そのまま漠然とした不安語につながっているケースがあります。制度上は学士(専門職)を授与する正規の大学です。
まとめると、「やばい」「恥ずかしい」の中身は、偏差値の低さと定員割れという二つの事実に集約されます。これらを当サイトは隠しません。一方で、資格取得の実績や少人数環境といった別の事実も同じ天秤に載せて判断すべきだ、というのが当サイトの立場です。
就職と国家試験の実績(大学公式データ)
入口の話はここまでにして、出口を見ます。リハビリ職の養成校では、偏差値よりも国家試験の合格率と就職先が実質的な成果指標です。以下は大学公式サイトが公表する数値です。
国家試験の合格率(大学公式、2026年)は、理学療法士が95.2%、作業療法士が90.9%です。1年次から国家試験対策を始め、国家試験対策委員会を組織し、オリジナル模試や個別の弱点分析で全員合格を目指す、という体制を公式に掲げています。座学の理解を国家試験の得点に変換する反復を、低学年から積む設計です。
主な就職先(2025年3月卒業生実績、大学公式および私学版大学ポートレート)は、岡山県内を中心とした病院・施設です。
- 理学療法学科:心臓病センター榊原病院、岡山旭東病院、岡山中央病院、岡山リハビリテーション病院、岡山博愛会病院、倉敷中央病院、倉敷平成病院、倉敷紀念病院、総合病院津山第一病院、重井医学研究所附属病院、光生病院、児島中央病院 ほか
- 作業療法学科:岡山県精神科医療センター、岡山協立病院、岡山西大寺病院、光生病院、玉野医療センターたまの病院、児島中央病院、金田病院、広島協立病院、佐藤医院 ほか
就職率について、大学公式は単一の百分率を大きく打ち出す形ではなく、学生一人あたりの求人件数などで需給を示しています(公式の注記では、就職率は卒業生のうち国家試験不合格者・進学者・就職希望のない者を除いて算出する旨が記されています)。数値の出典元をまたぐため、当サイトでは確認できた国家試験合格率と就職先の実名を根拠として提示します。リハビリ職は資格さえ取れれば地域の医療・介護の現場に需要があり、入口偏差値の低さがそのまま就職難に直結する構図ではない、というのがデータから読み取れる範囲です。出典は岡山医療専門職大学公式サイトおよび私学版大学ポートレートです。
何を学べるのか。専門職大学としての学部特色
岡山医療専門職大学で取得を目指せる国家資格は、理学療法士(理学療法学科)と作業療法士(作業療法学科)です。いずれもリハビリテーションの専門職で、前者は主に運動機能の回復、後者は日常生活動作や心のケアを含む生活の再建を担います。学べる領域はこの2職種に特化しており、汎用的な学問を幅広く学ぶ場ではありません。
専門職大学の制度上の特徴は、実習(臨地実務実習)の比重が大きいことです。文部科学省の制度設計として、専門職大学は卒業単位のうち相当割合を実習・実技に充てることが求められており、座学中心の一般的な大学より現場に近い訓練が組まれます。岡山医療専門職大学もこれに沿い、応用治療技術実習や臨地実務実習などを組み合わせた実践的なカリキュラムを掲げています。
もう一つの特色が「展開科目」と呼ばれる+αの学びです。従来の理学療法士・作業療法士の就職先(病院・施設)にとどまらず、スポーツ、福祉機器、起業、地域・行政といった周辺分野にも視野を広げる科目群を用意し、資格に加えた活躍の幅を打ち出しています。少人数制で1年次から国家試験対策と実習を反復する設計は、在校生レポートでも「授業に集中しやすい」「実践と学びを反復できる」といった声として紹介されています(スタディサプリ進路掲載の在校生コメント)。
入試方式と合格難易度(総合型・推薦・一般)
入試方式は、総合型選抜、学校推薦型選抜(指定校制・公募制)、一般選抜が用意されています。総合型選抜や指定校推薦は、合格したら必ず入学することを確約できる者(専願)を対象とするのが基本です。
合格難易度は、偏差値と充足率の両面から見て高くありません。河合塾の共通テスト得点率の目安は39〜43%とされ、これは大学入学者の中では低い水準です(みんなの大学情報、河合塾Kei-Net)。倍率も総じて低く、当サイトの判定「A:実質全入」と整合します。裏を返せば、確実にリハビリ職の資格ルートに乗りたい人にとっては、入口で弾かれるリスクが小さい進路とも言えます。
ただし「入りやすい、イコール卒業しやすい」ではありません。国家資格は入学後の学習量と実習の乗り越えで決まります。入口の易しさと出口(国家試験)の厳しさは、分けて考える必要があります。志望する場合は、総合型選抜と推薦、一般選抜のどれが自分の条件に合うかを募集要項で確認するのが実務的です。
学費と奨学金(初年度140万円と特待生制度)
初年度納入金は合計140万円で、内訳は入学金20万円、授業料90万円、維持管理費30万円です(スタディサプリ進路・進学ナビ、2026年度納入金)。加えて初年次は校具代として約16万円が必要とされています。医療系の私立養成校としては、抑えめの設定です。
奨学金・特待生制度が手厚いのも特徴で、いずれも返還不要です(マイナビ進学・大学公式)。
- 本山学園特待生制度:ランクS=学費全額相当146万円免除、ランクA=学費半期相当73万円免除など(ランクS・Aは総合型選抜合格者が対象)。
- 成績優秀者奨学金:前年度の成績上位者に、ランクA100万円・B50万円・C30万円。
- 国の修学支援新制度の対象校:世帯収入等の要件を満たせば、入学金・授業料の減免と給付型奨学金の対象。
- 通学・生活支援:遠距離からの通学応援として毎年10万円、一人暮らしスタートアップとして年16.5万円などの独自制度。
偏差値だけを見て候補から外す前に、特待生で実質負担がどこまで下がるかを試算する価値はあります。とくに総合型選抜経由で上位ランクの特待生を狙える場合、実質の学費負担は大きく変わります。金額は変更される可能性があるため、最新の募集要項で必ず確認してください。
立地とキャンパス(JR岡山駅から徒歩約10分)
キャンパスは岡山県岡山市北区大供3-2-18、JR岡山駅から徒歩約10分前後(大学公式の案内は徒歩約10分、一部媒体は約13分)と、県庁所在地の中心部に位置します。岡山駅方面へ徒歩数分の場所に西日本最大級の大型商業施設(イオンモール岡山)があり、生活やアルバイトの利便性は高い立地です。
通学圏も広く、香川県・広島県(福山)・兵庫県(相生)方面からの通学も想定されています。公式サイトによれば7割以上の学生がアルバイトをしており、駅近と商業集積という条件がそれを支えています。地方の新設校でありながら、立地面の弱点は小さいと言えます。出典は大学公式サイトおよびWikipediaです。
向いている人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえ、岡山医療専門職大学が向く人と合わない人を整理します。
向いている人。
- 理学療法士・作業療法士という国家資格の取得を明確な目標にしている人。
- 大学名のブランドより、資格と就職の実利を優先する人。
- 少人数で国家試験対策を手厚く受けたい人(充足率の低さは環境面では追い風になり得る)。
- 特待生・修学支援制度を活用して学費を抑えたい人。
- 岡山を中心とした地元・近隣で医療職として働きたい人。
合わない人。
- 大学名の偏差値やブランドを重視する人(入口偏差値はBF〜35.0で、その評価軸では不利)。
- 研究志向が強く、大学院進学や学術キャリアを主目的にする人。
- リハビリ職以外にも進路の幅を広く残しておきたい人(学べる資格は理学療法士・作業療法士に特化)。
- 「Fランは恥ずかしい」という感覚がどうしても拭えない人。その気持ちが続くなら、別の選択肢を検討したほうが納得感は高いはずです。
まとめ:岡山医療専門職大学はFランか
当サイトの結論を、根拠とともにもう一度示します。岡山医療専門職大学の総合判定は「A:実質全入」です。理由は、河合塾Kei-Net(2027年度)の偏差値が理学療法学科BF・作業療法学科35.0であること、そして私学版大学ポートレート(私学事業団、2025年)の収容定員充足率が50.2%であること、この二つの一次データが一致して入口の選抜機能が弱いことを示しているためです。この意味で「Fラン」という呼称は、入口に関する限り事実に沿っています。
ただし判定「A」は入口に限った格付けであり、教育の中身や卒業後の価値を否定するものではありません。国家試験合格率(2026年で理学療法士95.2%・作業療法士90.9%)や、県内中心の安定した就職先という出口のデータは、入口偏差値だけでは測れない現実です。入りやすさ(充足率50.2%・実質全入)と、資格取得という出口の成果を、同じ天秤に載せて判断してください。数値の最終確認は、河合塾Kei-Net、私学版大学ポートレート、大学公式サイトの一次情報で行うことをおすすめします。
よくある質問
岡山医療専門職大学の偏差値はどのくらいですか?
河合塾Kei-Net(2027年度)では、理学療法学科がBF(ボーダーフリー)、作業療法学科が35.0です。年度や媒体によっては2学科ともBF表記になることもあります。共通テスト得点率の目安は39〜43%です。
岡山医療専門職大学はFランですか?
当サイトの独自判定は「A:実質全入」です。偏差値BF〜35.0と、収容定員充足率50.2%という一次データから、入口の選抜機能は弱いと判断できます。ただしこれは入口の格付けであり、教育や就職の価値を否定するものではありません。
定員割れしていると聞きましたが本当ですか?
私学版大学ポートレート(私学事業団、2025年)の収容定員充足率は50.2%で、定員のおよそ半分が埋まっている状態です。定員割れは事実ですが、少人数で手厚い指導を受けやすいという側面もあります。
国家試験の合格率は?
大学公式によると2026年で理学療法士95.2%、作業療法士90.9%です。1年次から国家試験対策を行い、対策委員会や個別の弱点分析で全員合格を目指す体制を掲げています。
学費はいくらですか?
初年度納入金は合計140万円(入学金20万円・授業料90万円・維持管理費30万円)で、初年次は校具代約16万円が別途必要です。特待生制度や国の修学支援新制度など、返還不要の支援が複数あります。
主な就職先はどこですか?
岡山県内を中心とした病院・施設です。理学療法学科では倉敷中央病院や岡山旭東病院など、作業療法学科では岡山県精神科医療センターや光生病院などが、2025年3月卒業生の実績として挙がっています。