― 大学別データ判定 ―
【定員62.5%割れ】高知学園大学はやばい?偏差値と就職の真実
森田涼が河合塾Kei-Net2027と私学版大学ポートレート2025の一次データだけで解剖する

この記事の目次
高知学園大学の偏差値は「BF」。河合塾が難易度を出せない水準
まず一次データから確認します。河合塾Kei-Net(2027年度入試難易度)では、高知学園大学の唯一の学部である健康科学部は、管理栄養学科・臨床検査学科ともにボーダー偏差値が「BF」と表示されています。BFはボーダーフリーの略で、模試受験者の合否実績から合格率50%のライン(ボーダー)が引けない状態を指します。つまり河合塾が難易度そのものを算出できない、選抜が実質的に機能していない水準です。
| 学部 | 学科 | 河合塾ボーダー偏差値 |
|---|---|---|
| 健康科学部 | 管理栄養学科 | BF |
| 健康科学部 | 臨床検査学科 | BF |
出典は河合塾Kei-Net大学検索システム(2027年度、第1回全統記述模試ベース)です。旺文社パスナビや一部の口コミ系サイトでは、同じ大学に対して35.0から35.5前後という数値が載ることがあります。これは各社が独自の基準で推計した参考値で、河合塾の一次評価とは別物です。私は偏差値を判断の入口にはしますが、BFの大学を語るときに小数点以下の数字を比べても意味は薄いと考えています。BFという事実がすでに、偏差値では測れない帯であることを示しているからです。
当サイトは独自の中立判定として、河合塾がBFを付ける水準を「S(河合塾が難易度を出せない最下層=真性Fランの偏差値帯)」、偏差値35前後で実質全入に近い水準を「A(純Fラン帯)」と定義しています。高知学園大学はBFですから、偏差値の物差しだけで見れば判定はSです。ただしこれはあくまで偏差値ラベルの話にすぎません。本当に見るべき数字は次の章にあります。
ここが本題。収容定員充足率62.5%が語る二面性
偏差値がBFである理由を、感情ではなく数字で説明できるのが収容定員充足率です。私学版大学ポートレート(日本私立学校振興・共済事業団、2025年)によると、高知学園大学の収容定員充足率は62.5%です。これは、定員に対して在学生が6割強しか埋まっていない、いわゆる定員割れの状態を意味します。
規模の前提を押さえておきます。スタディサプリ進路の掲載によれば、健康科学部の入学定員は130名(管理栄養学科70名、臨床検査学科60名)です。修業年限4年で単純計算すると収容定員はおおむね520名規模となり、その6割強しか在籍していないのが充足率62.5%という数字の中身です。定員割れが続く大学は、河合塾のボーダーが立たずBFになりやすい。偏差値BFと充足率62.5%は、同じ現象を別の角度から見た表と裏の関係にあります。
この数字には二つの面があります。ネガティブに読めば、需要が定員に届いていないという市場評価であり、私立大学として経営面のリスクを抱える材料になります。一方でポジティブに読めば、少人数教育が物理的に成立しやすいということです。教員1人あたりの学生数が抑えられ、資格取得に向けた面倒見や実習指導を手厚くしやすい。実際にこの大学は管理栄養士・臨床検査技師という国家資格の養成に特化しています。充足率62.5%を「危ない」と切り捨てるのも、「少人数で手厚い」と美化するのも、どちらか一方だけでは片手落ちです。私が一次データにこだわるのは、この二面性を読者自身が天秤にかけられるようにするためです。
「高知学園大学はやばい・恥ずかしい」噂を類型で検証
検索の周辺には、やばい、恥ずかしい、といった感情の言葉が並びます。個別の書き込みを逐一持ち出すことはしません。誰かを傷つける表現の再掲は、判断の役に立たないからです。ここでは噂を類型に整理して、一次データで突き合わせます。
- 類型1:偏差値が低いから恥ずかしい。河合塾でBFであるのは事実です。ただしBFは偏差値ラベルであって、学べる内容や資格の価値を否定する情報ではありません。恥ずかしいという感情ラベルと、資格養成校としての実像は分けて考える必要があります。
- 類型2:知名度が低い・少人数だからやばい。健康科学部単科・入学定員130名という規模は事実です。これは知名度の低さの背景ですが、同時に少人数教育の前提でもあります。規模の小ささ自体は良し悪しではなく、何を求めるかで評価が変わります。
- 類型3:就職実績が非公開で怖い。この情報は古くなっています。かつては卒業生がいないため実績が出ていませんでしたが、河合塾Kei-Netと私学版大学ポートレートには2024年度卒業者の進路データが掲載されています。詳細は次章で扱います。
- 類型4:有名人がいない。卒業生の著名人が少ないのは事実ですが、これは資格職(管理栄養士・臨床検査技師)を輩出する養成校の性格上、当然の帰結です。芸能人の数は進路の質とは無関係です。
結論として、やばい・恥ずかしいという言葉のほとんどは偏差値BFという一点への感情的な反応です。判断材料としては弱い。私が代わりに見るのは、充足率と就職の一次データです。
就職・進路。大学公式は「15年連続100%」、一次データで検証
就職はこの大学を評価するうえで最も重要な軸です。ここは大学公式の進路データを主軸に置きます。
高知学園大学・高知学園短期大学の共通キャリアセンターは、公式サイトで「15年連続100%の就職率」(2009年度以降)と公表しています。これは短大時代から続く資格養成の実績を含む、共通キャリアセンターの数字です。ただし100%という数字は一般に就職希望者を分母とした就職率であり、卒業者全体を分母にした割合とは異なる点に注意が必要です。
そこで河合塾Kei-Netの進路概況(2024年度卒業者、健康科学部)を突き合わせます。卒業者83名のうち、就職62名(80.7%)、進学3名(3.6%)、その他13名(15.7%)でした。大学公式の就職希望者ベース100%と、卒業者全体を分母にした河合塾の数字にはこの差が出ます。その他が15.7%存在する事実は、正直に材料として置いておきます。どちらの数字も嘘ではなく、分母の取り方が違うだけです。
取得できる資格については、旺文社パスナビ(2025年5月の大学アンケートに基づく回答)で確認できます。管理栄養学科では栄養士および管理栄養士(国家試験受験資格)、臨床検査学科では臨床検査技師(国家試験受験資格)です。主な就職先の企業名は、パスナビ上では「掲載情報なし」となっており、一次情報で確認できませんでした。取れなかった情報を類型で断定することはしません。国家資格に直結する養成校であること、共通キャリアセンターが高い就職率を掲げていること、この二点が一次データで確認できる範囲です。
学べること。健康科学部の管理栄養・臨床検査に特化
高知学園大学は健康科学部の単科大学で、学科は二つです。学べる中身は資格に直結しており、ここがこの大学の骨格です。
- 管理栄養学科(入学定員70名):管理栄養士の国家試験受験資格を目指す学科です。栄養士の資格取得にも対応します。食と健康、臨床栄養、給食経営管理などを実習中心に学びます。
- 臨床検査学科(入学定員60名):臨床検査技師の国家試験受験資格を目指す学科です。血液・生化学・微生物・病理・生理機能検査に加え、遺伝子検査など先端領域まで扱います。公式サイトによれば、母体である高知学園短期大学の衛生技術科時代から55年にわたり臨床検査技師を養成し、2500名余りの卒業生を輩出してきた歴史があります。
いずれも国家資格養成のカリキュラムで、文部科学省が定める教員組織・施設・設備の要件を満たす必要があります。偏差値がBFであることと、資格養成の中身が薄いことは別問題です。入りやすさと、卒業までの学修負担・国家試験の厳しさは、まったく別の話として捉えるべきです。
入試方式と合格難易度。BFが意味する「実質的な選抜の弱さ」
合格難易度は、偏差値BFと充足率62.5%という二つの一次データから読み解けます。定員に対して在学生が6割強という状態は、募集人員に対して志願者が十分に集まっていないことを示唆します。河合塾のボーダーがBFになるのも、この裏返しです。総合すると、合格難易度は低い類型に入り、選抜としての機能は弱いと判断できます。
入試方式としては、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜が用意されています。倍率や配点の詳細は年度で変わるため、必ず最新の学生募集要項で確認してください。ここで強調したいのは、入りやすさと卒業のしやすさは別だという点です。管理栄養士・臨床検査技師はいずれも国家試験を突破しなければ資格になりません。入学の難易度が低いことと、資格を取り切る難易度は切り離して考える必要があります。入り口が広いからこそ、入学後にどれだけ学ぶかで結果が大きく分かれる大学だと私は見ています。
学費。初年度は管理栄養約139万円・臨床検査約169万円
学費は河合塾Kei-Net(2026年度入学者向け)の掲載額で確認できます。資格系の実習費が乗るため、学科によって初年度納入金に差があります。
| 費目 | 管理栄養学科 | 臨床検査学科 |
|---|---|---|
| 入学金 | 250,000円 | 250,000円 |
| 授業料(年) | 930,000円 | 1,000,000円 |
| 実習費 | 140,000円 | 350,000円 |
| 諸会費 | 39,000円 | 39,000円 |
| その他(図書費) | 30,000円 | 50,000円 |
| 初年度合計 | 1,389,000円 | 1,689,000円 |
臨床検査学科の方が実習費で21万円、授業料で7万円ほど高く、初年度で30万円の差が出ます。これは臨床検査の実習設備・器材コストが反映された結果で、資格養成の実態を映した数字です。奨学金については、日本学生支援機構の貸与・給付型奨学金や高等教育の修学支援新制度(授業料等減免・給付型)の対象となる可能性がありますが、対象要件や学内独自制度の有無は年度で変わるため、最新の募集要項と大学窓口で必ず確認してください。ここで一次情報の取れない学内独自奨学金の金額を断定することはしません。
立地・キャンパス。高知市旭天神町、旭駅の近く
キャンパスは高知県高知市旭天神町292-26(郵便番号780-0955)にあります。最寄りはとさでん交通の旭駅周辺で、高知市内からのアクセスは比較的良好です。代表電話は088-840-1121です。
この大学は学校法人高知学園が運営しており、同じ法人グループには高知学園短期大学、高知リハビリテーション専門職大学、高知中学高等学校などがあります。医療・健康系の資格養成を軸にした学園グループの一員という位置づけで、臨床検査技師の養成は短期大学時代から続く伝統領域です。地元高知で管理栄養士・臨床検査技師を目指す人にとって、通学圏で完結できる選択肢である点は実務的なメリットです。県外の大規模大学のようなキャンパスの華やかさや規模を期待する場所ではありません。目的が資格取得であれば、規模の小ささはむしろ通いやすさとして働きます。
高知学園大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを、進路選択の判断に落とし込みます。偏差値ラベルではなく、目的との相性で整理します。
- 向く人:高知で管理栄養士や臨床検査技師の資格を取り、地元で働きたい人。少人数で面倒見のよい環境を求める人。偏差値のブランドよりも、資格という具体的な出口を優先する人。定員割れの少人数環境を、指導が届きやすいと前向きに使える人。
- 合わない人:大学名のブランドや全国的な知名度を重視する人。学部・学科の選択肢の広さや、大規模大学のキャンパスライフを求める人。資格職以外の幅広い進路を大学で探したい人。偏差値の高さそのものを進学の目的にしている人。
高知学園大学は、汎用的な総合大学ではなく、資格養成に振り切った専門性の高い小規模大学です。この性格に目的が合致するかどうかが、Fランか否かという言葉より何倍も重要です。
まとめ。高知学園大学はFランか
結論を整理します。河合塾Kei-Net2027で健康科学部(管理栄養・臨床検査)はともにBF。当サイトの中立判定はS、すなわち河合塾が難易度を出せない最下層の偏差値帯です。この一点だけを見れば、いわゆるFランと呼ばれる帯に入るのは事実です。
ただしFランは偏差値のラベルにすぎません。私が本題に据えたのは収容定員充足率62.5%(私学版大学ポートレート2025)という数字で、これは定員割れという需要面のリスクと、少人数で資格養成に集中できるという学びの環境が、同じコインの裏表であることを示しています。就職は大学公式が15年連続100%(就職希望者ベース)を掲げ、河合塾の2024年度データでは卒業83名中62名が就職。管理栄養士・臨床検査技師という国家資格に直結する養成校です。偏差値BFだけで切り捨てるのは早計であり、逆に少人数を無条件に美化するのも誤りです。目的が資格取得なら十分に検討に値する。ブランドや規模を求めるなら合わない。この二面を天秤にかけて判断してください。
よくある質問
高知学園大学はFランですか?
河合塾Kei-Net2027の入試難易度は健康科学部の両学科ともBF(ボーダーフリー)で、当サイトの中立判定はSです。偏差値の物差しではFランと呼ばれる最下層帯に入ります。ただしBFは偏差値ラベルであり、管理栄養士・臨床検査技師の養成校としての実像は別に評価する必要があります。
偏差値はいくつですか?
河合塾Kei-Net2027では管理栄養学科・臨床検査学科ともにBFで、具体的な数値は算出されていません。旺文社パスナビや口コミ系サイトでは35前後の推計値が載ることもありますが、これは各社独自の参考値で、河合塾の一次評価はBFです。
就職はどうですか?
高知学園大学・短期大学の共通キャリアセンターは15年連続100%就職率(2009年度以降、就職希望者ベース)を公表しています。河合塾Kei-Netの2024年度データでは、卒業者83名のうち就職62名・進学3名・その他13名でした。取得資格は栄養士・管理栄養士・臨床検査技師です。
収容定員充足率62.5%とは何を意味しますか?
私学版大学ポートレート2025の数字で、定員に対して在学生が6割強しか埋まっていない定員割れの状態を示します。偏差値がBFになる背景であると同時に、少人数教育が成立しやすいという面も持つ二面的な指標です。
学費はいくらですか?
河合塾Kei-Netの2026年度入学者向け掲載額で、初年度合計は管理栄養学科が1,389,000円、臨床検査学科が1,689,000円です。臨床検査学科は実習費・授業料が高く、初年度で約30万円の差があります。