― 大学別データ判定 ―
開智国際大学は“Fラン寄り”?境界の実力を充足率96.3%で判定
河合塾偏差値37.5・充足率96.3%・就職率95.8%で読む実像|2027年に統合し「開智大学」へ

この記事の目次
開智国際大学の偏差値(河合塾Kei-Net)を学部別に確認する
まず数字から入ります。私が受験指導で最初に見るのは、母集団が安定している河合塾の偏差値です。河合塾Kei-Net(2027年度入試想定)で見た開智国際大学の学部・学科別偏差値は次のとおりです。
| 学部 | 学科・専攻 | 偏差値 |
|---|---|---|
| 教育 | 初等教育 | 40.0 |
| 教育 | 中等教育 | 37.5 |
| 国際教養 | 国際教養 | 35.0 |
出典:河合塾Kei-Net2027(代表偏差値37.5)。河合塾のボーダーライン(合格可能性50%)は一般選抜で偏差値37.5、共通テスト利用型は得点率47〜54%です。国際教養学科は年度によりBF(ボーダーフリー=合否ラインを偏差値として設定できない水準)と表示されることもあり、教育学部の初等教育がこの大学のなかでは相対的に高い、という並びになります。
ここで注意したいのは、予備校によって数字が割れることです。ベネッセ(進研模試)では45〜49、大学偏差値研究所では40〜45、東進では40〜48と、河合塾より高く出ます。これは模試の受験者層が違うためで、進研模試は中堅以下を志望する層が厚く、同じ大学でも偏差値が高めに算出されます。だから「開智国際大学の偏差値は◯◯」と一つの数字で語るのは正確ではありません。もっとも標準的で厳しめの河合塾を基準にすると、37.5前後というのが妥当な線です。当サイトは、この河合塾偏差値と後述の充足率・就職データを突き合わせて、中立に判定する立場を取ります。
ここが本題:収容定員充足率96.3%が示す二つの顔
偏差値だけを見ると「境界の下側」で話が終わってしまいます。私が当サイトで重視するのは、もう一つの一次データ、収容定員充足率です。これは「定員に対して実際に何割の学生が在籍しているか」を示す数字で、大学の経営体力と需要を直接映します。偏差値ランキングには出てこない、しかし進学判断にはずっと重要な指標です。
私学版大学ポートレート(日本私立学校振興・共済事業団)2025年のデータで、開智国際大学の収容定員充足率は96.3%です。この一つの数字に、相反する二つの顔があります。
- 表の顔:96.3%は「ほぼ定員が埋まっている」水準です。私立大学の約6割が定員割れという現状で、偏差値37.5前後の小規模校がこの充足率を保っているのは、需要が枯れていない証拠です。実際、2026年5月時点で2学部に約780人が在籍しています(出典:朝日れすかPLUS)。「入試はほぼ全入なのに誰も来ない」という空洞化した大学とは、明確に違います。
- 裏の顔:それでも100%には3.7ポイント届きません。わずかに定員割れの状態であり、余裕があるわけではありません。18歳人口が減り続けるなかで、2学部の小規模体制のままでは長期的に厳しい。だからこそ、後述する2027年の統合という選択につながっていきます。
この二面性が、偏差値という一つの数字では見えない開智国際大学の実像です。「Fランだから危ない」でも「人気校だから安心」でもなく、明確な出口(教員養成)を持つ小規模校が、需要を保ちながら規模拡大の再編に向かっている、というのが正確な描写です。数字を持ち上げも貶めもせず読むと、こう見えます。
「開智国際大学 やばい・恥ずかしい」という噂を類型で検証する
検索窓に大学名を入れると「Fラン」「やばい」「恥ずかしい」が候補に並びます。私はこの手の候補を頭ごなしに否定も肯定もしません。なぜその言葉が付くのか、原因を類型に分けて検証します。
- 偏差値が低めに見える:河合塾で37.5前後、国際教養学科はBF水準。数字だけを切り取ると「やばい」と書かれやすい位置です。ただし全学部に偏差値が算出されており、偏差値そのものが存在しない完全な全入とは異なります。
- 校名変更を繰り返した:前身は日本橋学館大学で、2015年に開智国際大学へ改称しています。名前が変わった大学は「訳あり」と誤解されがちですが、これは学校法人の再編・教育提携によるもので、不祥事が理由ではありません。
- 知名度が低い:規模が小さく全国的な知名度がないため、就職の書類選考などで「聞いたことがない大学」と受け取られる懸念が語られます。これは偏差値というより認知度の問題です。
- 統合ニュースの誤読:2027年に東京福祉大学と統合して開智大学になる話が、「潰れる」と読み違えられることがあります。実際は消滅ではなく規模拡大の再編です(詳しくは後半で触れます)。
ネット上には在学生や周辺に関する個別の悪評も見られますが、真偽の裏が取れない匿名の書き込みを逐一持ち出しても、受験判断の材料にはなりません。私が信頼するのは、偏差値・充足率・就職という検証可能な数字です。「恥ずかしいかどうか」は結局は他人の物差しであって、進学先を決める本質ではないと考えます。
就職・進路:大学公式データで出口を確認する
教員養成・資格系の大学は、偏差値よりも出口で評価すべきです。開智国際大学の就職データを一次情報で確認します。
就職率は、キャリタス進学掲載のデータで卒業者131名・就職希望者119名・就職者114名の就職率95.8%、進学者3名です(出典:キャリタス進学)。母集団の取り方によって「就職率100%」と紹介する媒体もありますが、私は分母を明示した95.8%を実態に近い数字として採用します。
主な就職先は、大学公式の「進路・就職データ」に業種別で公開されています(出典:開智国際大学 公式サイト)。
- 教員:東京都・千葉県・埼玉県・茨城県・長野県・熊本県・新潟県・福島県・沖縄県などの教育委員会、筑波大学附属聴覚特別支援学校、開智学園。教育学部の看板どおり、公立小中の教員採用に実績があります。
- 金融:茨城県信用組合、埼玉縣信用金庫、城北信用金庫、千葉信用金庫などの地域金融、日本生命保険、明治安田生命保険。
- 製造:伊藤園、カゴメ、TDK、日本ハム食品、ワコール、ファーストリテイリング。
- 情報通信:大塚商会、NTTデータグローバルソリューションズ、ソフトバンク、JCOM。
- 運輸・その他:日本郵政、ヤマト運輸、JAL系列、羽田空港サービスグループ。
- 大学院進学:早稲田大学、東京学芸大学、立教大学、亜細亜大学、国際医療福祉大学などの大学院。
ここで正直に線を引きます。いわゆる有名企業400社への実就職率で見れば、開智国際大学は上位ランキングの圏外です。大手総合職を主戦場にするなら、偏差値以上に厳しい戦いになります。一方で、教育学部の教員就職という明確な出口は、偏差値の数字には表れない実力です。教員・医療・資格系は「入口の偏差値」より「出口の採用・合格」で見るべき、というのが私の一貫した立場です。
学べること・学部の特色
開智国際大学は教育学部と国際教養学部の2学部体制です(統合後の名称変更は後述します)。共通する柱は「国際英語」と「アクティブ・ラーニング」で、ネイティブ教員による英語授業や、ディスカッション・ディベート型の少人数授業を掲げています(出典:大学受験パスナビ)。
- 教育学部(教育学科):初等教育専攻と中等教育専攻。1年次から併設の小・中・高でインターンシップ(職場体験実習)を行い、教育実習・介護体験、地元公立校での学習サポーターなどを通じて教員としての実践力を高めます(出典:大学ポートレート私学版)。教員採用試験対策講座も1年次から始まる設計です。
- 国際教養学部(国際教養学科):1年次に公務員インターンシップを行い、地方自治体などで実務を体験します。英語で学ぶ専門科目やキャリアデザイン科目を通じて、民間企業・行政機関・地域振興など多角的な進路に対応します。
特徴的なのは、規模の小ささを逆手に取った運営です。教員1人あたりの学生は約17人、ゼミは5〜6人という少人数体制で、学科を横断して履修できるクロスオーバー履修制度も設けています(出典:Wikipedia/大学公式)。大人数の講義で埋もれるより、面倒を見てもらいながら学びたい層には合う設計です。逆に、放っておかれても自分で動ける自立型の学生には、物足りなく感じる場面もあるでしょう。
入試方式と合格難易度
入試は幅広い方式が用意されています。総合型選抜(AO型・特待チャレンジ型・英語資格型・国際バカロレア型)、学校推薦型選抜(指定校推薦型ほか)、一般選抜(一般型Ⅰ〜Ⅳ期)、共通テスト利用型です(出典:スタディサプリ進路)。英検準1級以上やバカロレアなど、資格・実績で評価される道が複数あるのが小規模校らしい設計です。
難易度を倍率で見ると、2024年度入試は次のとおりでした(出典:大学受験パスナビ)。
| 学部 | 方式 | 募集 | 志願 | 合格 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 教育 | 一般選抜合計 | 20 | 158 | 117 | 1.3 |
| 教育 | 共テ利用合計 | 138 | 138 | 109 | 1.3 |
| 教育 | 学校推薦型合計 | 45 | 44 | 44 | 1.0 |
| 国際教養 | 一般選抜合計 | 10 | 91 | 82 | 1.1 |
| 国際教養 | 共テ利用合計 | 84 | 84 | 77 | 1.1 |
| 国際教養 | 学校推薦型合計 | 20 | 19 | 18 | 1.0 |
教育学部の一般選抜は合計1.3倍(志願158・合格117)、国際教養学部の一般選抜は1.1倍(志願91・合格82)。推薦型はいずれもほぼ1.0倍です。数字が示すとおり、しっかり対策すれば合格可能性の高い、実質全入に近い難易度です。裏返せば「入るのが難しい」という意味での希少価値は期待しにくい。だからこそ、入ってから何を積むか(教員採用・資格・語学)が進学の是非を分けます。
学費と奨学金・特待制度
学費の目安は、初年度が約125万円、2年目以降が約100万円です(出典:せしぶろぐ)。教科書代や諸会費、国際教養学部の海外研修費は別途必要になります。金額だけを見ると平均的な私大文系ですが、この大学の特徴は費用を圧縮できる制度の手厚さにあります。
成績や資格に応じた特待生制度があり、4年間の免除額は次のように段階分けされています(出典:スタディサプリ進路/進路ナビ)。
- S特待(4年間継続):S1=392万円、S2=287万円、S3=207万円、S4=127万円、S5=85万円、S6=47万円の免除。
- A特待(初年度のみ):A1=98万円からA5=25万円までの免除。
- 資格による特待:英検準1級以上でS3特待(207万円免除)、英検2級や漢検2級でA1特待(初年度25万円免除)など。
大学公式は、2025年4月入学生のうち約40%が4年間の学納金210万円以下(国立大学の学費より低額になる水準)と説明しています(出典:開智国際大学 公式サイト)。加えて日本学生支援機構(JASSO)の貸与型・給付型、高等教育の修学支援新制度にも対応しています。偏差値帯の近い大学のなかでは、資格や成績で費用を大きく抑えられる点は、現実的で無視できないメリットです。
立地・キャンパス
キャンパスは千葉県柏市柏1225-6。最寄りはJR常磐線の柏駅で、東口からバス「柏学園前」下車、または徒歩約20分です。北柏駅も利用圏で、東京方面からの通学も現実的な範囲に収まります(出典:河合塾Kei-Net/大学公式)。
規模が小さいぶんキャンパスもコンパクトですが、これは少人数教育と相性が良く、教員との距離が近い環境を生みます。都心の大規模校のような設備の充実やサークルの多さは期待しにくい一方、落ち着いて学びたい人には向いています。周辺環境について賛否の声はありますが、進学判断に直結する要素ではないと私は考えます。オープンキャンパスで実際の雰囲気を自分の目で確かめるのが、噂に振り回されない一番確実な方法です。
開智国際大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえ、私の受験指導の経験から整理します。
向いている人
- 小中学校の教員を本気で目指し、1年次から採用試験対策と教育実習を積みたい人。
- 大人数の講義より、少人数で面倒を見てもらいながら学びたい人。
- 英検準1級・2級などの資格を持ち、特待で学費を大きく抑えたい人。
- 偏差値の看板ではなく、入学後の実務経験と出口(教員採用・資格)で勝負したい人。
慎重に考えた方がいい人
- 大手総合職や有名企業400社を主戦場にしたい人(実就職率で見ると圏外で、学歴フィルターの懸念があります)。
- 大学名のブランドや全国的な知名度を、進学の主目的にする人。
- 大規模校の設備・人脈・サークルの多さを重視する人。
そして全員が前提として知っておくべきなのが、2027年の統合です。開智国際大学は東京福祉大学と統合し、2027年4月に新「開智大学」となる予定で、現在は設置者変更の認可を申請中です(出典:開智国際大学 公式サイト/大学ジャーナルオンライン)。柏の教育学部は「教育人間学部」に名称変更し、国際教養学部は現行のまま存続。新大学は教育・教育人間・国際教養・心理・社会福祉・保育児童の6学部、池袋・王子・伊勢崎・柏の4キャンパス体制になります。つまり、いま「開智国際大学」として入学する人は、在学中に「開智大学」の学生になる可能性が高い。これは不安要素であると同時に、学部の選択肢と規模が広がる再編でもあります。名前の消滅ではなく、拡大方向の再編だと理解しておくのが正確です。
まとめ:開智国際大学はFランなのか
当サイトの中立判定はこうです。河合塾偏差値37.5前後・国際教養学科はBF水準という数字だけを見れば、開智国際大学は「境界の下側」に位置します。倍率も実質全入に近く、「難関ではない」ことは事実として認めます。ここを曖昧にして持ち上げるつもりはありません。
しかし「Fラン」という一語には、多くの場合「定員も埋まらず、出口もない空洞化した大学」という含意があります。開智国際大学はそれには当てはまりません。収容定員充足率は96.3%で定員割れしておらず、就職率は95.8%、教育学部は各地の教育委員会に教員を送り出しています。偏差値という入口の数字と、充足率・就職という別の一次データは、違う実像を映しているのです。
結論として、開智国際大学は「狭義のFランとは言い切れないが、河合塾偏差値では境界の下側にある小規模校」です。持ち上げも貶めもせず、数字で言えばこれが実像です。そして2027年には統合で「開智大学」へと姿を変えます。名前や偏差値のラベルではなく、教員採用・資格・語学という出口で自分の4年間を設計できるかどうか。そこが進学を決める本当の分かれ目だと、私は考えます。
よくある質問
開智国際大学はFランですか?
河合塾偏差値は37.5前後で境界の下側ですが、収容定員充足率は96.3%で定員割れしておらず、就職率も95.8%です。「定員も埋まらず出口もない」という意味での狭義のFランには当てはまりません。難関ではないが空洞化もしていない、というのが数字で見た実像です。
開智国際大学の偏差値はどのくらいですか?
河合塾Kei-Netで教育学部の初等教育40.0・中等教育37.5、国際教養学科35.0(年度によりBF水準)です。ベネッセ進研模試では45〜49と高く出ますが、これは模試の受験者層の違いによるもので、標準的で厳しめの河合塾を基準にすると37.5前後が妥当な線です。
開智国際大学の就職はどうですか?
キャリタス進学のデータで就職率95.8%(就職者114名・就職希望者119名)。公式の進路データでは、各地の教育委員会への教員採用のほか、地域金融・製造・情報通信などに就職しています。有名企業400社への実就職率で見ると圏外で、教員志望に強い大学、という位置づけです。
開智国際大学はなくなるのですか?
なくなるのではなく、2027年4月に東京福祉大学と統合して新「開智大学」になる予定です(設置者変更の認可申請中)。柏の教育学部は教育人間学部に名称変更、国際教養学部は現行のまま存続し、4キャンパス・6学部体制になります。消滅ではなく規模拡大の再編です。
開智国際大学の学費はいくらですか?
初年度が約125万円、2年目以降が約100万円が目安です。成績・資格に応じた特待制度が手厚く、S特待では4年間で最大392万円、英検準1級以上でS3特待207万円などの免除があります。JASSO奨学金や高等教育の修学支援新制度にも対応しています。
開智国際大学の入試は難しいですか?
2024年度の一般選抜倍率は教育学部1.3倍・国際教養学部1.1倍、推薦型はほぼ1.0倍で、対策すれば合格可能性の高い、実質全入に近い難易度です。総合型・共通テスト利用・英語資格利用など方式が幅広いのも特徴で、自分の得意分野で受けやすい設計になっています。
参考・出典
- 開智国際大学 公式サイト(進路・就職データ)
- 開智国際大学 公式サイト(東京福祉大学との統合・開智大学化のお知らせ)
- 開智国際大学 公式サイト(特待制度/学費)
- 開智国際大学 公式サイト(特待制度・学納金210万円以下約40%)
- 河合塾Kei-Net(偏差値ボーダーライン)
- 大学受験パスナビ 旺文社(偏差値・大学特色)
- 大学受験パスナビ 旺文社(入試結果・倍率)
- 大学ポートレート(私学版・進路就職情報)
- キャリタス進学(就職情報・就職率95.8%)
- スタディサプリ進路(奨学金・特待制度一覧)
- 進路ナビ(奨学金・特待生制度一覧)
- Wikipedia(開智国際大学 沿革・学部・統合予定)
- 大学ジャーナルオンライン(開智大学 開学・統合)
- 朝日れすかPLUS(在籍780人・統合発表)
- せしぶろぐ(学費の目安)
- hensachi.org(予備校別偏差値の比較)