― 大学別データ判定 ―
びわこリハビリテーション専門職大学は“誰でも入れる”Fラン?就職まで数字で判定した
河合塾偏差値35.0〜BFと収容定員充足率72.9%を一次データで解剖。当サイト独自の中立判定はA(実質全入)。就職・学費・評判まで公式データで検証します。

この記事の目次
河合塾の偏差値は理学療法・作業療法が35.0、言語聴覚療法はBF
最初に、判定の背骨になる数字を置きます。大学受験で最も広く参照される河合塾のボーダー偏差値(Kei-Net、2027年度予想)では、びわこリハビリテーション専門職大学の各学科は次のとおりです。
| 学部 | 学科 | 河合塾ボーダー偏差値 |
|---|---|---|
| リハビリテーション学部 | 理学療法学科 | 35.0 |
| リハビリテーション学部 | 作業療法学科 | 35.0 |
| リハビリテーション学部 | 言語聴覚療法学科 | BF |
数字だけ見れば、理学療法・作業療法が偏差値35.0、言語聴覚療法はBF(ボーダーフリー)です。BFとは、河合塾が合格可能性50%のラインを算出できないことを示す記号で、平たく言えば難易度を数値化できないほど合格ラインが低い状態を指します。私はこれを、偏差値帯の中でも最下層のサインだと受け止めています。理学療法・作業療法の35.0も、四年制大学全体の中では下限に近い水準です。
一方で、進研模試を出典とするベスト進学ネットでは、同大学の偏差値を47〜51と案内しています。同じ大学で数字が食い違うのは、模試ごとに母集団と算出方法が違うためです。進研模試は河合塾より偏差値が高めに出る傾向があり、実際の合格難易度を保守的に見るなら、私は河合塾のボーダー(35.0〜BF)を基準に置くべきだと考えます。当サイトの判定も河合塾のKei-Netを軸にしています。
この数字を当サイトの中立判定に置き換えると、理学療法・作業療法はA(実質全入=偏差値35前後で、受ければ受かるに近い純Fラン帯)、言語聴覚療法はさらに下のS相当(BF=河合塾が難易度を出せない最下層、いわゆる真性Fラン帯)です。大学全体としては、判定Aが妥当だと私は見ています。ここで断っておくと、これはあくまで入試難易度の話であり、教育の中身や資格取得の価値とは別の軸です。次章以降で、その別の軸を一つずつ検証します。
ここが本題:収容定員充足率72.9%が示す二面性
偏差値だけを見て終わる記事はどこにでもあります。当サイトが独自に重視しているのは、収容定員充足率という一次データです。これは定員に対して実際に何割の学生が在籍しているかを示す数字で、大学の人気と経営体力を映す鏡になります。
私学事業団(日本私立学校振興・共済事業団)の大学ポートレート(2025年)によると、びわこリハビリテーション専門職大学の収容定員充足率は72.9%です。定員100人に対して約73人しか埋まっていない、言い換えれば定員の約3割が空いているということです。全国の私立大学の過半数が定員割れを起こしている時代とはいえ、7割台という水準は、偏差値がBF〜35.0であることと矛盾しません。
ただし、この72.9%を一枚岩で語ると本質を見誤ります。大学が公式に情報公開している学科別の内訳(2026年5月1日時点)を見ると、二面性がはっきり出ます。
| 学科 | 収容定員 | 在籍者数 | 充足率 |
|---|---|---|---|
| 理学療法学科 | 290 | 252 | 86.9% |
| 作業療法学科 | 130 | 60 | 46.2% |
| 言語聴覚療法学科 | 60 | 28 | 46.7% |
| 合計 | 480 | 340 | 70.8% |
理学療法学科は充足率86.9%と、地方の専門職大学としては健闘している水準です。一方、作業療法学科は46.2%、言語聴覚療法学科は46.7%で、定員の半分も埋まっていません。つまり「充足率72.9%(大学公式の学内集計では70.8%)」という一つの数字の内側で、看板の理学療法は集客できているが、作業療法・言語聴覚療法は苦戦しているという二面性が起きています。実際、大学は2024年度から理学療法の定員を80→70名、作業療法を40→30名へ引き下げており、定員側を絞って充足率を保とうとする動きも読み取れます。
この二面性は、受験生にとって悪い話ばかりではありません。作業療法・言語聴覚療法は、定員に対して志願者が少ない=実質全入に近い入りやすさである、という裏返しでもあります。入りやすさを取るか、共に学ぶ同級生の層や大学の経営安定を取るか。充足率は、偏差値には出てこないこの判断材料を与えてくれる数字です。この一次データを判定に組み込んでいる点が、他の情報サイトと当サイトの決定的な違いです。
「やばい・恥ずかしい」の噂は何を指しているのか
検索候補に「やばい」「恥ずかしい」といった言葉が並ぶことがあります。私はこの種の言葉を逐一まき散らすことはしませんが、何を根拠にそう言われるのかを類型として整理しておくことには意味があります。噂の中身を分解すると、たいてい次の3類型に落ち着きます。
- 偏差値が低いことへの反応:河合塾でBF〜35.0という水準そのものを指して評するもの。これは事実としての難易度の話で、大学の教育の質とは別の軸です。
- 定員割れ・充足率への不安:作業療法・言語聴覚療法が5割を切っている点を見て、経営や存続を心配する声。これは前章の一次データで確認できる、根拠のある論点です。
- 新設校ゆえの実績の薄さ:2020年開学で卒業生の期が浅く、口コミサイトの評価件数が少ないことを、情報がない不安として受け取るもの。実際、みんなの大学情報などでも口コミ件数はごくわずかです。
逆に言えば、感情語のほとんどは、この3つの事実(低偏差値・定員割れ・新設)に対する主観的な反応であって、それ以上の具体的な中身を伴っていないことが多いです。感情語に飲まれず、偏差値・充足率・実績という測れる指標に戻して判断するのが、私が受験指導で一貫して勧めているやり方です。次章では、その測れる指標のうち最重要の就職を見ていきます。
就職・進路は大学公式データで見ると強い
偏差値と就職は別物です。ここは大学公式の情報公開(進路データ)を主軸に見ていきます。
びわこリハビリテーション専門職大学が公表している学科別の就職状況は、理学療法学科が直近の卒業生で就職率98.2〜100.0%、作業療法学科が95.5〜100.0%で推移しています。2024年3月に卒業した1期生46名(理学療法39名・作業療法7名)は実質的に全員が進路を確定させ、就職先の45.7%が滋賀県内、21.7%が隣接する京都府内でした。地元定着型の進路構成です。
主な就職先も、公式情報公開に具体名が挙がっています。
- 滋賀県内:豊郷病院、公立甲賀病院、琵琶湖中央リハビリテーション病院、近江八幡市立総合医療センター、市立大津市民病院、滋賀医科大学医学部附属病院、滋賀県立総合病院、大津赤十字病院 など
- 滋賀県外:京都武田病院、洛和会ヘルスケアシステム、シミズ病院グループ など
第三者データでも裏が取れます。河合塾Kei-Netの集計では、2024年度卒業者91名のうち就職者75名・進学者1名で、就職率は96.7%相当と報告されています。数字の取り方で多少の差はありますが、理学療法士・作業療法士という国家資格職の養成校として、就職の出口は安定していると言ってよいでしょう。
ただし、国家試験の合格率は学科で差があります。2024年度は理学療法学科が受験66名・合格57名で86.4%、作業療法学科が受験25名・合格17名で68.0%でした(言語聴覚療法学科は2024年度開設で実績はこれから)。理学療法は全国平均に近い一方、作業療法は年度によって全国平均を下回る点は、資格取得までの手厚さという観点で確認しておくべきポイントです。入りやすい=資格まで楽ではないことは、就職の強さと合わせて理解しておきたいところです。
学べること:滋賀県内で唯一の専門職大学という立ち位置
びわこリハビリテーション専門職大学は、リハビリテーション学部の1学部に理学療法学科・作業療法学科・言語聴覚療法学科の3学科を置き、それぞれ理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の国家試験受験資格を目指します。専門職大学は2019年に55年ぶりに新設された大学制度で、学問研究中心の従来型大学と違い、臨地・臨床の実務実習を厚く積む実践的な職業教育に軸足があります。
カリキュラムは、1年次に幅広い教養と医学の基礎を学びつつ現場見学で将来像を描き、2年次で各学科の専門知識と技術を深め、3年次に臨床実習、4年次で領域別のより高度な専門科目へと積み上げる構成です。少人数で教員との距離が近く、国家試験対策を個別指導で支える体制が公式に強調されています。
見落とされがちですが、この大学は歴史の浅い新設校であると同時に、実績のある母体を持っています。運営する学校法人藍野大学は1968年の開校以来、累計で10,000人以上の医療人を輩出。前身の滋賀医療技術専門学校は1996年の開校以来、1,400名を超える理学療法士・作業療法士を送り出し、滋賀県内で働く理学療法士・作業療法士の約4分の1が同校の卒業生とされています。さらに滋賀県内で唯一のリハビリテーション職養成の大学であり、地域の病院・自治体との連携が濃いことが、前章で見た地元就職の強さの土台になっています。低偏差値という入口の数字と、養成校としての中身は、切り分けて見る必要があります。
入試方式と合格難易度:実質全入に近い間口の広さ
入試は、一般選抜・学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦)・総合型選抜・社会人選抜と、間口が広く用意されています。募集要項ベースの一般的な内容では、一般選抜は国語(古文・漢文を除く)に英語または数学Ⅰ・Aを組み合わせる方式、総合型選抜は調査書などの書類と面接が中心です。教科書レベルの基礎学力と、明確な志望動機を言葉にできれば十分に対応できる設計といえます。
合格難易度は、河合塾のボーダーがBF〜35.0であること、そして倍率がおおむね1.0〜1.3倍で推移していることから、実質全入に近い水準です。定員割れが続く作業療法・言語聴覚療法では、特にその傾向が強くなります。裏を返せば、学力試験で差がつきにくいぶん、面接や志望理由書で、なぜリハビリ職か、なぜ滋賀かを語れるかどうかが、合否よりも入学後の充実度を左右します。入れることと、入って伸びることは別問題だからです。
(入試科目・日程・倍率は年度で変わります。出願前に必ず大学発行の学生募集要項で最新情報を確認してください。)
学費・奨学金:同系統では割安、独自スカラシップも厚い
学費は大学公式が公表しています。初年度納入金は合計1,450,000円で、内訳は入学金250,000円・授業料900,000円・実験実習費100,000円・施設設備費200,000円です。2年次以降は年間1,250,000円で、4年間の総額はおおよそ520万円になります。受験時の検定料は初回30,000円、2回目以降の再受験は15,000円です。
大学側は、近畿地区の同系統(理学療法・作業療法)大学の初年度学費が170万〜212万円であるのに対し、本学は割安だと説明しています。医療系リハビリ養成課程としては、抑えめの水準であることは確かです。
独自の給付型奨学金(スカラシップ制度)も手厚めです。
- 一般選抜A日程のスカラシップ生A:90万円、スカラシップ生B:45万円の給付
- 指定校推薦:入学金の一部10万円を給付
- 社会人(満20歳以上):入学後に15万円を給付
- 自宅外通学者:賃貸住宅費の半額・上限月30,000円を入学後2年間補助(人数制限なし)
加えて、日本学生支援機構(JASSO)の貸与・給付奨学金、国の高等教育の修学支援新制度も利用できます。学費の安さと給付の厚さは、この大学の実務的な強みだと私は評価しています。定員割れが続く大学ほど学費や奨学金で受験生に応えようとする傾向があり、その恩恵を受けやすいという見方もできます。
立地・キャンパス:東近江市、能登川駅からスクールバス
キャンパスは滋賀県東近江市北坂町967の、びわこ東近江キャンパス1拠点です。最寄りはJR琵琶湖線の能登川駅で、駅西口から徒歩5分のスクールバス乗り場から通学用のバスが運行されています(朝は9時15分発で9時45分ごろ到着など)。琵琶湖の東側、湖東エリアに位置し、都市部の喧騒から離れた環境で学べます。
正直に言えば、立地は利便性重視の受験生には地味に映るはずです。大阪・京都都心からの通学は現実的ではなく、多くは滋賀県内・近隣府県からの通学、あるいは自宅外通学になります。前述の住宅費補助(上限月3万円)が用意されているのは、この立地事情の裏返しでもあります。一方で、地域の病院・施設と密着した実習環境という点では、この土地であることがそのまま強みに変わります。滋賀で医療職として働くイメージがある人にとっては、立地はマイナスになりません。目的次第で評価が反転する要素です。
向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえて、私なりに整理します。
向いている人
- 滋賀県や近隣府県で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として働くイメージが具体的にある人
- 偏差値やブランドより、国家資格と就職の出口を優先したい人
- 少人数で教員の面倒見が厚い環境を求める人、学費を抑えたい人
- 学力試験に自信がなくても、志望動機を言葉にできる人
合わない人
- 大学名のブランドや偏差値の高さそのものに価値を置きたい人
- 学力の高い同級生に囲まれて刺激を受けたい人
- 都市部での通学利便性や、大規模大学のキャンパスライフを求める人
- 資格取得の難易度(特に作業療法の国家試験)を軽く見て、入学後の努力を想定していない人
実質全入に近いということは、入学後にどれだけ主体的に動けるかで結果が大きく変わるということです。間口が広い大学ほど、入ってからの差は本人次第になります。この点だけは、どの学科を選んでも共通して言えることです。
まとめ:びわこリハビリテーション専門職大学はFランか
結論を繰り返します。河合塾の偏差値は理学療法・作業療法が35.0、言語聴覚療法はBF。収容定員充足率は72.9%(大学公式の学内集計では70.8%)で、学科によっては5割を切ります。これらの一次データにもとづく当サイトの中立判定は、大学全体としてA(実質全入)です。言語聴覚療法学科に限れば、河合塾が難易度を出せないBFの最下層に位置します。数字の意味で「Fラン」と呼ばれる帯にあることは、私も否定しません。
ただし、Fランという記号と、大学の使い道は分けて考えるべきです。就職率は公式データで95〜100%、地元の病院・施設に定着する出口があり、学費は同系統では割安、給付奨学金も厚い。滋賀で国家資格を取ってリハビリ職として働くという明確な目的がある人にとっては、偏差値の数字以上に機能する選択肢になり得ます。逆に、ブランドや偏差値そのものを目的にするなら、この大学は向きません。Fランかどうかではなく、あなたの目的に合う道具かどうかで判断してください。それが、偏差値40の大学から受験指導の道に入り、8年間受験生を見てきた私の一貫した結論です。
よくある質問
びわこリハビリテーション専門職大学の偏差値は?
河合塾のボーダー偏差値(Kei-Net 2027年度予想)で、理学療法学科・作業療法学科が35.0、言語聴覚療法学科はBF(難易度を数値化できない水準)です。進研模試系の指標では47〜51とより高く出ますが、合格難易度を保守的に見るなら河合塾基準が目安になります。
びわこリハビリテーション専門職大学はFランですか?
当サイトの中立判定は、大学全体でA(実質全入=偏差値35前後で受かりやすい帯)です。言語聴覚療法学科はBFで最下層に位置します。数字上はFランと呼ばれる帯ですが、国家資格の養成校としての就職実績や学費の安さは別軸で評価すべきです。
就職はできますか?主な就職先は?
大学公式の情報公開では、理学療法学科が直近98.2〜100%、作業療法学科が95.5〜100%の就職率です。1期生46名も実質全入で進路を確定し、豊郷病院や近江八幡市立総合医療センター、滋賀医科大学医学部附属病院、京都武田病院など、滋賀県内・京都府内の病院や施設が主な就職先です。
学費はいくらですか?
初年度納入金は合計145万円(入学金25万円+授業料90万円+実験実習費10万円+施設設備費20万円)、2年次以降は年125万円で、4年間の総額は約520万円です。近畿の同系統大学より割安で、独自の給付型スカラシップ、JASSO奨学金、国の修学支援新制度も利用できます。
定員割れしていますが大丈夫ですか?
収容定員充足率は72.9%で、特に作業療法・言語聴覚療法は5割前後です。定員を縮小して調整する動きもあり、経営面の注視は必要です。ただし母体は1968年開校・累計1万人超を輩出する学校法人藍野大学で、滋賀県内唯一のリハビリ職養成大学という位置づけです。
どんな人に向いていますか?
滋賀・近隣で理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として働く目的が明確な人、偏差値より資格と就職の出口を優先する人、学費を抑えたい人に向きます。大学のブランドや都市部の通学利便性、大規模なキャンパスライフを求める人には向きません。