― 大学別データ判定 ―
旭川市立大学は本当にFラン?いや、偏差値52.5の実力を数字で論破する
河合塾ボーダー偏差値・収容定員充足率・大学公式の就職データという一次情報だけで、噂の中身を当サイト独自に中立判定します

この記事の目次
旭川市立大学の偏差値は?河合塾の学部・学科別データで見る
私が受験指導で最初に確認するのは、必ず河合塾のボーダー偏差値です。旭川市立大学の場合、河合塾Kei-Net(2027年度入試予想)には二種類の数字が載っている点に注意が必要です。一つは複数の入試方式を文系・理系3教科の成績でまとめ直した「学部学科ランク」、もう一つは方式ごとの「ボーダー偏差値」です。この二つを取り違えると、実力を過大にも過小にも見誤ります。
| 学部/学科 | 学部学科ランク | 方式別ボーダー | 共テ得点率 |
|---|---|---|---|
| 経済/経営経済 | 45.0 | 52.5 | 57〜66% |
| 地域創造/地域創造 | 40.0 | 45.0 | 50〜55% |
| 保健福祉/保健看護 | 42.5 | ー | 59〜62% |
| 保健福祉/コミュニティ福祉 | 37.5 | ー | 54〜58% |
学部学科ランクだけを見れば37.5〜45.0で、いわゆる「グレーゾーン」の数字に見えます。ところが方式別ボーダーで見ると経済学部は52.5、地域創造学部は45.0まで上がり、共通テストでも50〜66%を求められます。渡された代表偏差値の一学科だけを取り出して低く語るのはフェアではない、というのが私の立場です。
そして決定的なのは、旭川市立大学が2023年4月に公立化した公立大学だという事実です。私立時代の旭川大学とは入試の土俵が違い、一般選抜では共通テストが課されます。共通テストで50%以上取らないと合格ラインに届かない大学を「Fラン(実質全入)」と呼ぶのは、定義上そもそも無理があります。参考として月刊北海道経済は、公立化後の経済学部を偏差値45〜47程度、保健福祉学部を51程度と報じ、道内公立大の釧路公立大47、名寄市立大51と並ぶ水準だと整理しています。難関ではないが全入でもない、これが実像です。
※偏差値は河合塾Kei-Net(合格可能性50%ライン)と旺文社パスナビを出典とし、Fランか否かの判定は当サイト独自の中立評価です。
ここが本題。収容定員充足率が語る旭川市立大学の「二つの顔」
偏差値は入口の難しさしか映しません。私が大学の体力を測るときに偏差値以上に重視するのが、収容定員充足率です。これは「定員に対して実際に何割の学生が在籍しているか」を示す数字で、100%を大きく割り込む状態が続く大学は、人気だけでなく経営そのものが細っているサインになります。Fランかどうかを本当に見極めたいなら、ここを見るべきです。
旭川市立大学の公式「学生数情報」(2025年5月1日現在)から算出すると、4年制の主要3学科はすべて定員を満たしています。
| 区分 | 学科 | 収容定員 | 在籍者数 | 充足率 |
|---|---|---|---|---|
| 4年制 | 経営経済 | 400 | 443 | 110.75% |
| 4年制 | 保健看護 | 240 | 247 | 102.92% |
| 4年制 | コミュニティ福祉 | 160 | 163 | 101.88% |
| 短大 | 食物栄養 | 100 | 84 | 84.00% |
| 短大 | 幼児教育 | 200 | 119 | 59.50% |
| 大学院 | 地域政策 | 14 | 3 | 21.43% |
ここに「二つの顔」があります。私立の旭川大学だった頃、旭川市の公開資料(総合政策部)によれば令和2年度の定員充足率は約86%(収容定員1,164人に対し現員997人)で、定員割れが常態化し経営に影響を及ぼしていました。コミュニティ福祉学科に至っては60%前後で推移し、定員を60名から40名へ縮小した経緯まであります。市が公立化に踏み切った動機そのものが、この定員割れでした。
それが公立化後は反転します。4年制3学科はいずれも100%超で、経営経済は110%を超える人気。裏を返せば、短大の幼児教育(59.50%)や大学院(21.43%)はいまも定員を大きく割っており、ここだけを切り取れば「やばい」印象になります。ネット上の悪評は、この4年制と短大・大学院を混ぜて語っていることが多い、というのが私の見立てです。(出典:旭川市立大学 公式「学生数情報」、旭川市総合政策部 公開資料)
「旭川市立大学 やばい・恥ずかしい」と言われる理由を類型で検証
個別の誹謗や匿名の順位づけを並べても実像はつかめません。ここでは「やばい」という声を、発生源のタイプごとに冷静に分解します。
- 類型1:私立時代の記憶の残像。公立化前の旭川大学は定員割れが続き、入試難易度も低く見られていました。その頃の評価が名前を変えた今も引きずられているのが最大の要因です。
- 類型2:公立化バブルへの反発。公立化で偏差値と倍率が急上昇したことに対し、「中身が伴っていない」という懐疑がぶつけられやすい構図です。実際には就職・充足率とも改善が数字に出ています。
- 類型3:地方大全般への「田舎」イメージ。旭川という立地や、周辺に大型商業施設が少ないといった生活環境の話が、学力評価とすり替わって語られます。
- 類型4:短大・大学院の低充足率との混同。前章の通り、4年制は100%超でも短大・院は定員割れ。数字を分けずに語ると全体が「やばい」に見えます。
- 類型5:「恥ずかしい」という感情語。これは主に旧名・私立イメージへの反応で、学部の中身や進路実績を見たうえでの評価ではないケースが大半です。
いずれの類型も、共通テストを課す公立大学という現在地と、充足率100%超・就職率ほぼ100%という一次データの前では説得力を失います。噂は事実の観察ではなく、更新の遅れた印象の反復だと理解しておくのが健全です。
就職・進路は?大学公式の進路データで確認する
大学を出口で評価するのが私の流儀です。旭川市立大学の公式就職データを見ると、経済学部(経営経済学科)の2025年3月卒業生は就職率100%(卒業96名、進学4名、就職希望85名に対し就職85名)。2024年度の求人は道内326件・道外270件と、地元と道外の両方から声がかかっています。
主な就職先は幅広く、卸・小売ではキリンビバレッジ、サントリービバレッジソリューション、イオン北海道、道北アークス、ツルハ、ローソン。金融では旭川信用金庫、留萌信用金庫、日本年金機構。運輸ではJR北海道、ANA新千歳空港。宿泊では星野リゾート。公務員も厚く、東京国税局、北海道職員、旭川市、士別市、札幌市消防、旭川市消防、北海道警察、自衛隊、刑務官、さらに道立高校や沖縄県の教員採用まで並びます。
保健福祉学部は2025年3月卒でコミュニティ福祉学科96%、保健看護学科100%(学部全体96%)。就職先は旭川医科大学病院、旭川赤十字病院、旭川厚生病院、市立旭川病院、北海道大学病院、手稲渓仁会病院、札幌東徳洲会病院といった医療機関、旭川市社会福祉協議会や各町社協・児童養護施設・地域包括支援センターなどの福祉現場、旭川市・士別市・鷹栖町・美深町・稚内市などの行政です。
ここで一点、誠実に補足します。看護・福祉のような資格系は、偏差値の数字より国家試験と就職の出口で評価すべきです。旭川市立大学は国試対策セミナーを行い就職決定率の高さを公表していますが、看護師・保健師・社会福祉士・精神保健福祉士の学科別合格率について、本記事作成時点で公表の一次数値までは確認できませんでした。ここは断定せず、受験を検討するなら大学に直接データを請求することをおすすめします。(出典:旭川市立大学 公式「経済学部就職データ」「保健福祉学部キャリア支援」)
旭川市立大学で学べること・学部の特色
旭川市立大学は日本最北の総合大学をうたい、地域に根ざした実学志向が全体を貫いています。学べる中身を学部ごとに整理します。
- 経済学部 経営経済学科(入学定員100名)。経営・会計・金融・地域経済を横断的に学びます。ゼミ活動を軸に、理論を地元企業や自治体の課題に当てはめる実践型の指導が特色です。商業科教員を目指す進路もあります。
- 地域創造学部 地域創造学科。2026年4月に新設される学部で、地域デザインやアントレプレナーシップ(起業家精神)を扱う構想です。地方創生を正面から学ぶ受け皿として設けられました。
- 保健福祉学部 コミュニティ福祉学科(40名)。社会福祉士・精神保健福祉士などの専門職養成に対応したカリキュラム。施設実習を通じて現場力を育てます。
- 保健福祉学部 保健看護学科(60名)。看護師・保健師の養成を軸に、シミュレーション教育と地元医療機関での臨地実習で実践力を磨きます。地域医療を担う人材育成が目的です。
このほか短期大学部として食物栄養学科・幼児教育学科を併設しています。総じて「地域に必要な職業人を育てる大学」であり、研究志向の難関大とは性格が異なります。自分が地元や実務に軸足を置きたいのか、研究や全国区の看板を求めるのかで、向き不向きがはっきり分かれるタイプの大学です。
入試方式と合格難易度
入試の設計を知ると、難易度の実像がつかめます。旭川市立大学の一般選抜は公立大学の中期日程で実施されるため、前期日程で他の国公立大を受けた受験生が併願先として出願しやすく、その分だけ倍率が上がりやすい構造です。学部・年度によっては一般選抜が2〜3倍に達することもあります。
一方、学校推薦型選抜は倍率が落ち着いており、2025年度は経営経済学科が地域型・全国型ともに1.1倍、コミュニティ福祉学科が地域型1.0倍・全国型1.2倍、保健看護学科が地域型1.2倍・全国型1.8倍でした。第一志望なら推薦で先に挑み、届かなければ一般で再挑戦するという二段構えが取りやすい大学です。(出典:studychain 公募推薦解説、旺文社パスナビ)
難易度をひとことでまとめると、共通テストが必須で、経済学部の方式別ボーダーは52.5、地域創造は45.0。全入ではないが、上位国公立のような高い壁でもありません。共通テストで着実に5〜6割を積み上げ、小論文・面接の対策を丁寧に行えば十分に射程に入る、標準的な地方公立大の難易度だと考えてよいです。2023年の公立化以降、旧・私立時代より確実に狭き門になった点は押さえておいてください。
学費・奨学金
公立大学であることの最大の実利は学費です。旭川市立大学の入学料は市外者300,000円、旭川市内在住者は210,000円で、市内枠には明確な減免が用意されています。授業料は年額535,800円(標準額)です。
| 学科 | 初年度納入金(市外) | 初年度納入金(市内) |
|---|---|---|
| 経営経済/地域創造 | 865,800円 | 775,800円 |
| コミュニティ福祉 | 1,065,800円 | 975,800円 |
| 保健看護 | 1,165,800円 | 1,075,800円 |
初年度納入金には入学金・授業料に加えて施設設備費や実験実習費などが含まれるため、実習の多い保健福祉学部は高めになります。それでも私立大学の同系統学部と比べれば、4年間の総額はかなり抑えられます。口コミでも「学費が安い」ことが進学理由の上位に挙がっており、公立化の恩恵がはっきり出ている部分です。
あわせて、国の高等教育の修学支援新制度(授業料等減免・給付型奨学金)や日本学生支援機構の貸与型奨学金の対象で、市内在住者の入学料減免と併用できます。地元から通う受験生にとっては、費用面での合理性が非常に高い選択肢だと言えます。(出典:旭川市立大学 公式「費用について」)
立地・キャンパス環境
キャンパスは北海道旭川市永山3条23丁目にあります。旭川市は北海道第2の都市で、生活インフラは地方都市として十分に整っていますが、キャンパスは市の中心部からやや離れた永山地区にあり、周辺に大型ショッピングモールや娯楽施設が多いわけではありません。在学生の口コミでも「生活に不便はないが遊べる場所は近くにない」という趣旨の声が見られ、落ち着いた環境で学業に集中したい人に向いています。
気候は北海道内陸部らしく冬の寒さが厳しく、通学や生活で防寒への備えは欠かせません。地元・旭川の病院や自治体、企業と結びついた実習・就職ネットワークが強いことは、この立地の裏返しの強みです。地域医療・地域福祉・地元経済に関わりたい人にとっては、立地そのものが学びと進路の資産になります。逆に都市部の刺激や全国区の交流を最優先する人には物足りなく映るかもしれません。(出典:みんなの大学情報 口コミ、旭川市立大学 公式)
旭川市立大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえ、率直に適性を整理します。
- 向く人:旭川・道北で就職し地域に貢献したい人/看護師・保健師・社会福祉士など資格職を実習環境の整った公立大で目指したい人/私立より学費を抑えたい人(特に市内在住者)/落ち着いた環境で堅実に学びたい人/共通テストで5〜6割を固めて確実に公立大へ進みたい人。
- 合わない人:全国区の大学ブランドや難関の看板を最優先する人/都市部の刺激や大規模な人的ネットワークを求める人/研究者志向が強く大学院進学を主軸に据えたい人(院の充足率は低め)/娯楽や利便性の高い立地を重視する人。
旭川市立大学は「地域で堅実に生きるための実学の公立大」です。その軸に自分の志望が重なるなら、偏差値の数字以上に価値のある選択になります。逆に軸がずれていると、入学後に物足りなさを感じやすい。噂の良し悪しではなく、この適性の一致で判断してください。
まとめ:旭川市立大学はFランか
結論を、一次データに基づいて中立に述べます。旭川市立大学はFランではありません。2023年に公立化した公立大学で、一般選抜には共通テストが課され、経済学部の方式別ボーダーは52.5、共通テスト得点率は50〜66%。全入とは程遠い入試です。学部学科ランクで見れば37.5〜45.0とやや易しめですが、これは「難関ではない」ことを意味するのであって、「Fラン」を意味しません。
そして私が最重視した収容定員充足率が、噂と実像の差を最もよく物語ります。私立時代は約86%の定員割れが経営を圧迫していたのに対し、公立化後の4年制3学科は110.75%・102.92%・101.88%とすべて満員以上。就職も経済学部で100%、保健福祉学部で96〜100%と、出口はむしろ強い。「やばい」「恥ずかしい」の多くは、更新されていない私立時代の印象か、短大・大学院の低充足率との混同です。
正直に短所も残します。全国区の看板や難関の実力校ではなく、道内公立大の中では易しめの部類で、立地や娯楽環境は地味です。しかし「地域で堅実に生きるための実学」という物差しで見れば、学費・就職・充足率のどれを取っても筋の通った良い公立大です。噂で判断せず、この記事の数字と大学の一次資料で、あなた自身の志望に合うかどうかを見極めてください。(判定は当サイト独自の中立評価。偏差値=河合塾Kei-Net、充足率=旭川市立大学公式および旭川市公開資料に基づく)
よくある質問
旭川市立大学はFランですか?
Fランではありません。2023年に公立化した公立大学で、一般選抜には共通テストが課されます。共通テスト得点率50〜66%が必要で、実質全入を意味するFランには当たりません。学部学科ランクは37.5〜45.0とやや易しめですが、方式別では経済学部が52.5に届きます。噂の多くは私立時代の旭川大学のイメージの残像です。
旭川市立大学の偏差値はどのくらいですか?
河合塾Kei-Net(2027年度予想)では、学部学科ランクで経済45.0、地域創造40.0、保健看護42.5、コミュニティ福祉37.5。方式別ボーダーでは経済52.5、地域創造45.0まで上がります。共通テスト得点率は学科により50〜66%です。数字は年度で動くため、最新は大学公式や河合塾で確認してください。
就職はいいですか?
大学公式データでは経済学部(経営経済)の2025年3月卒が就職率100%、保健福祉学部が96〜100%です。就職先はイオン北海道や道北アークス、旭川信用金庫、JR北海道、星野リゾートなどの企業に加え、旭川市など自治体や消防・警察・自衛隊、旭川医科大学病院や旭川赤十字病院などの医療機関、社会福祉協議会や児童養護施設まで幅広く、地元定着型の進路が中心です。
私立時代の旭川大学とどう違うのですか?
2023年4月に設置者が学校法人から公立大学法人へ変わり、名称も旭川大学から旭川市立大学になりました。入試に共通テストが加わり難易度が上がったこと、学費が公立水準に下がったこと、定員割れ(私立時代は約86%)から4年制の定員充足率100%超へ転じたことが大きな違いです。中身も土俵も別物と考えてよいです。
学費はいくらですか?
公立大学のため授業料は年額535,800円です。入学料は市外者300,000円、旭川市内在住者は210,000円。初年度納入金は経営経済・地域創造で市外865,800円(市内775,800円)、実習費を含む保健看護で市外1,165,800円などです。国の修学支援制度や奨学金の対象で、市内在住者の入学料減免と併用できます。
「やばい」「恥ずかしい」と言われるのはなぜですか?
主因は公立化前の私立・旭川大学時代の定員割れや低偏差値のイメージが更新されずに残っていることです。加えて、公立化での偏差値急上昇への反発、地方立地への印象、定員を割っている短期大学部や大学院と4年制を混同した評価などが重なっています。現在の一次データ(充足率100%超・就職率ほぼ100%)とは食い違う、古い印象の反復と言えます。
参考・出典
- 旭川市立大学 公式「学生数情報」(収容定員・在籍者数・充足率)
- 旭川市立大学 公式「経済学部 就職データ」
- 旭川市立大学 公式「保健福祉学部 キャリア支援・卒業後の進路」
- 旭川市立大学 公式「費用について(学費)」
- 河合塾Kei-Net 旭川市立大学 偏差値(ボーダーライン)
- 旭川市総合政策部 公立大学の設置に係る整理資料(私立時代の定員充足率)
- 月刊北海道経済「『Fラン』脱却 旭川市立大学の不安要素」
- subblog「旭川市立大学は【やばい】のか?」
- studychain 旭川市立大学の学校推薦型選抜(倍率)
- 旺文社パスナビ 旭川市立大学 偏差値・共テ得点率
- みんなの大学情報 旭川市立大学 口コミ・評判
- Wikipedia 旭川市立大学(沿革・公立化の経緯)